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263 戦闘9
僕は先ほどと同じように、ガクシンの回りを回りながら隙を伺っていたが、隙が全くない。
何処を攻撃しても剣で反撃されるイメージしか湧かなかった。
この騎士特有の防御姿勢を解かせるにはどうしたらいいのか。
何か糸口があれば…。
物理攻撃がダメなら魔法攻撃か。
火、水、土、風と順々に攻撃の仕方を考えていく。
考えていく途中で、何故か拷問の様子が浮かんでくる。
火攻めにするか、水責めにするか、悩んだ挙句、水責めにしよう。
僕はガクシンの回りを回りながら、気付かれないように水を集め始める。
精霊達と四大元素の扱いが、大分、分かってきた。
ガクシンを包み込むようにイメージをして、足元から水が包んでいく。
今はガクシンが兜を被っている所為もあり、水の動きには分かってないようだ。
少しずつ範囲を広げていく。
元々、ガクシンは防御姿勢のまま動かなかった事が仇となっていた。
足を全て覆い、次に体を、そして最後に顔を包み込み、ガクシンは水の中に水没した。
ガクシンは動揺した様子は見られず、気付いていないのか、それともこのくらいなら大丈夫だと、確信があるのだろうか





