260 戦闘 6
さてどうやって攻めるか僕は悩んでいた。
近くで見ると巨大過ぎる空中戦艦、僕達は空中戦艦の回りをぐるぐると回っていた。
時折、空中戦艦の側面に付いている対空魔導咆が飛んでくるが、地上を殲滅するための魔導兵器よりも、かなり細いビーム咆で威力も弱い。
アナンタがひらりひらりと交わしていたが、直撃しそうになるとエアルが風で方向をずらしたり、アルケーが水で威力を打ち消したり、エルダが土で防いだり、
ウェスタが炎で巻き込んだりしながら飛んでいた。
「考えても何も浮かばないな、アナンタ、ファイヤーブレスだ」
「ガォー」
分かったと言ったつもりなのか、アナンタは一声吠えると、大きく息を吸い込み始めた。
そしてお腹一杯、息を吸い込み腹がパンパンになると口を大きく開け、空中戦艦に向けてファイヤーブレスを吐き出す。
空中戦艦を巻き込むようにファイヤーブレスは広がって行くが、やはり防御されているようで表面だけを赤く焼いていく。
王竜よりは威力が弱いけど、中の人間は段々熱くなっているはずだ。
王竜が僕達の拠点フルールイルに攻めてきた時、王竜のブレスは防御魔法で防がれていたが、中にいた僕達は暑かった事を思い出した。
10秒ほど吐き出したが、表面的には何の損害も無さそうだ。





