259 戦闘 5
アナンタの全長、頭から尻尾までの長さは約10メートル、アナンタが2本足で立った時の高さは約6メートル、母親の王竜の半分の大きさだ。
王竜の子供なので、王竜なのかと言われれば違う。
王竜とは竜を束ねている長の称号なので、王竜はただ一人というか、ただの一匹。
上下関係が上になるほど、いろいろな称号がつく。
例えば、森竜とか海竜、山竜など。
アナンタは、まだ成人の儀式を受けたばかりだから、竜の中でも一番下っ端の竜で、称号も何もないので、ただの竜だ。
アナンタが竜に変身した時、何も知らないナーガ兵士達に、命を狙われそうになったが、ラウージャが攻撃しないように指示を出したので、アナンタは攻撃を受けずに飛び立つ事が出来た。
アナンタの翼の一回の羽ばたきで、突風が周囲にふき荒れた。
何度も大きく羽ばたきながら、上空に停泊している空中戦艦に向かって飛んでいた。
空中戦艦に近づく度に、その船の大きさに圧倒される。
途中でワイバーン同士の戦いが繰り広げられていたけど、アナンタが咆哮を上げるとワイバーン達は敵、味方共に制御を失いそれぞれがちりじりとなりながら逃げていく。
王竜ではないけど、流石、竜の端くれ。
ワイバーン達を咆哮で圧倒するなんて、竜の方が格上だと感じてしまう。





