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246 対クレハン 1

テントを出て近くの広いスペースに移動した。

いつの間にか噂を嗅ぎ付けた兵士達が僕達の回りを囲むように集まっていた。

クレハンを応援する声援に混じって、僕を罵声する声が聞こえる。


仲間達も僕を応援する為に叫んでいたが、回りの騒音に負けてほとんど聞こえていなかった。

アウェイ感がまともに伝わってくる。


何故、僕はこんな所で戦わなければならないのか疑問に感じていた。

そもそも決闘などしなくても、領主のビルトを捕まえた時点で、僕達の勝利ではないのか、ラウージャに聞いてみたら、


「クレハンはきっかけが欲しかったのさ。

ビルトが捕まりました、それでは私達の敗けですと言われても、部下は納得しないだろう。

むしろ、このまま降伏しても部下の誰かが確実に反乱を起こすだろう。

だからあえて決闘という形を取り、クレハンより強い事を見せつけないといけない」


「なるほど」


「と言うことで、翔、任せたぞ」


「ちょっと待って下さい、ぼくより強い人いくらでもいるでしょう」


「いるかも知れないが、ここには翔しかいない。

それに翔の方が有利だと思うぞ」


「どうしてですか」


「クレハンは純粋な騎士の為、魔法が使えないんだ。

だから、魔法の使える翔が有利だろう」


「そうでしょうか?魔法が使えなくても小十郎より強いんですよね。

剣術が凄いのか、スキルが凄いとか、何か情報はないのですか?」


「何もない。王都から離れていることもあったし、何より情報が漏れてこないんだ。

だから、行き当たりばったりで頼むぞ」


「そんな無責任な」


クレハンは広いスペースの中央に仁王立ちの構えで、まだかと待っているようだった。


「翔、絶対勝てよ」


「翔くん勝ってね」


「私の翔様が負けるはずないわ」


「ありがとう皆、では行ってくる」


僕はクレハンの前まで来ると経験の差だろうか、凄く威圧的にプレッシャーがかかっている。


「良く逃げずにきたな。

俺のレベルが分からない訳ないだろうが、俺のレベルは今192だ。

レベル80の小僧には俺の強さが分からないと見える」


それはお互い様だけどねと言いたかったが少しでも油断してくれればいいと思った。


「試合の判定だが、参ったというか、それか死ぬまでというのはどうだ」


わざと死ぬまでと言って、プレッシャーをかけてくる。

流石とかしか言いようがない。

でもそんな事で僕は動じないよ、でも…、


「死ぬのは嫌だから気絶するか、参ったというかでどうですか」


「ウム、分かった。それで良いだろう。

それでは、始めようか」


そう言うとクレハンは右手に大きな剣を持ち、左手には頭まで隠れるくらいの大きな盾を持っていた。

勿論全身、金色の甲冑を来ていたが、頭だけはバイクのジェットヘルメットみたいに顔が良く見える兜になっていた。


これは回りを良く見回せるようにかと思っていた。

僕も小刀を二本持ち構えた。

今までにない緊張が走り、まだ何もしていないのに汗をかいていた。


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