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23 ムラサメ

「何で、勝手に決めるのよ!」


「そうよ!なんで私達に相談もしないのよ!」


「奴隷なんて絶対嫌よ」


「どんな目に会うか、想像もしたくない」


自宅に戻って来てから、ずっと仲間達に沙羅と紗耶香は必死にうったえていた。

相談した所で反対するのは目に見えて分かる。

何と言っても自分が一番可愛いから、自分の事が一番大事。

なのにミレナさんの言動には少し不可解な物があった。


「もう言ってしまったんだから、翔に勝ってもらうしかないだろう」


「翔が、負けると思っているのか?」


「だって翔くんの今のレベル20でしょう。

今のままだと勝てないでしょ。

1ヶ月でレベル差って埋まるの?

相手だって1ヶ月後レベル上がってるでしょう。

負けたら、私達、あいつの奴隷になるのよ」


「あなた達は勝っても負けて関係ないからいいわね」


「関係ないことないだろう、仲間だろ?」


「だって、奴隷よ、ど、れ、い。」


「絶対に!絶対~に!絶対に嫌だもん」


「一層、ここから逃げようか?」


「逃がさないわよ」


不意に後ろから声がしたので、声のする方を見たらミレナさんだった。


「翔くんを特訓するって言ったじゃない、大丈夫、勝てる見込みはあるから」


ミレナさんは勝てると言い切るがその自信は、どこからくるのだろうか?

僕には、とても責任重大なことなのに僕自身勝てる気がしない。


「翔くんには、1ヶ月ダンジョンに潜ってもらうから」


「ダンジョンですか?」


「そう、少し離れているけど、昔、放浪者が魔人化してダンジョンを作ったと言われる場所よ。

ダンジョンの中は魔物が沢山うろうろしているから、レベルの上がりは早いはずだから、もってこいの所ね」


「翔だけですか、僕たちは?」


「あなた達は、ダンジョンではなく無いけれど私と一緒にクエストを受けながらモンスターを倒しに行きましょ。

私が見張ってないと沙羅と紗耶香に逃げられると困るから」


沙羅と紗耶香は、少しの間、動揺していたがうまくミレナさんが、なだめてくれたみたいだ。


「ダンジョンに行くのは僕1人だけですか?」


「翔くんには、特別な先生を用意したわ。

ダンジョンは地下に潜っていく事になるけど、常に密閉された空間だから精霊の力が届かないの、土の精霊は沢山いるけど他の精霊達は極端に少なくなるわ。

だから私みたいな風の精霊使いは、精霊の加護をあまり受けられないから、ダンジョンなんかは出来れば遠慮したい所ね。

翔くんは精霊が側に居るから直接加護受けられるけど、私には無理だから特別講師を呼んだの、さぁ、入ってきて」


ドアから入って来たのは、女性、体型はエルフなのだが、肌の色は紫色、髪の色は銀色、刀を背中に背負っている。

まるで忍者のような格好だ。

顔はやはり美人だ、エルフはみんな美人なのだろうか?

と言うか、この団のエルフは女性しか居ないのだろうか?

それとも女性のエルフの方が強いし力を持っているのだろうか?

つい想像で女性のエルフは働き、男性のエルフは家でぐうたらしているイメージが浮かんだ。

人間思考で考えると...、いや、僕の思考だろうか、そんなイメージを浮かべて僕は少しにやけてしまう。

ハッと思い回りを見渡すが僕のにやけ顔は見られていないようだ。


「紹介するわ、ダークエルフのムラサメちゃんよ、職業は忍者」


「よろしくでござる」


「よろしくお願いします」

「初めまして」


あいさつを、皆と一通りかわす。

それから皆の質問責めが始まっていた。


「この世界にも忍者っているのですか?」

「やっぱり忍者というくらいだから、一瞬で消えたりジャンプ力が凄かったりするのですか?」

「ちょっと忍術見せてください」


「ほらほら、そんなに質問責めしたらムラサメちゃんが困っているじゃないの。

質問なら、後でゆっくり出来るから落ち着きなさい」


ミレナさんが質問責めで話が進まない為、一度話を遮った。


「ムラサメちゃん、こっちが翔くんね、1ヶ月二人きりだけど頑張って来てね。

二人きりだからといって、変な気を起こさないようにね」


「そ、そんな事しません!」


「美人だからミレナちゃんはとっても心配...、まあ、手出したらムラサメちゃんに、殺されるかもしれないけどね。

あとムラサメちゃん無口だから、何とかコミュニケーション取ってね。

翔くんは時間が勿体無いから支度がととのいしだい出発してもらいます。

ムラサメちゃんは、もう準備終わって何時でも出発出来るから」


こうして準備の終わった僕とムラサメさんは、ダンジョンに向けて出発した。

ダンジョンまでは走って約1時間の距離にあるらしく、急ぎ足で駆け抜けて行った。


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