225王宮へ
『ピロン、ピロン、ピロン』
ディメンションルームの中にある自宅、寝室の大きなベッドでファミリの仲間で一緒に眠っていた。
ベッドと言っても、10畳ほどある部屋全体がふかふかのベッドになっていた。
僕はいつも真ん中、その両脇を順番で決めていた。
今日の担当は右側にエアル、左手にミディアが寝ていた。
別の部屋で神楽と茜、エマとルーク、ルナがそれぞれの部屋で寝ていた。
『うるさいな、何時だと思っているんだ。
誰の目覚まし時計だ』
睡眠を邪魔され、半分はまだ夢の中にいる気分だった。
視界の下の方に赤い点滅が有るのに気がついた。
『あ、緊急連絡か、もしもし、翔です』
『遅いぞ、翔』
『何かあったのか、ラウージャ』
『イルプレーヌの兵士が王都を取り囲んでいるんだ』
『え、攻撃受けているのですか』
『いや、まだだが、王都の中にいる人数が少ないと見て、取り囲んで圧力をかけるのが狙いだと思うが、これから作戦会議を行なうから王宮まで来てくれ』
『分かった、直ぐ行くよ』
『待ってる』
僕は皆を起こさないように、ベッドを抜け出し、身支度を整えディメンションルームから白銀騎士団の駐留している空き地に出ると、丁度、セレナさんも王宮に向かうところだった。
「あれ、翔くんも呼び出し?」
「はい、寝ているところを起こされました」
「そうよね、相手ももう少し考えて行動してくれればいいのに」
「そうですね、日が昇る前でまだ辺りは暗いのに、明るくなってから行動すればいいのに」
そんな他愛もない話をしながら、急ぎ王宮へと向かった。





