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214 僕の感情

僕とラウサージュは、王宮まで来ていたが会議が長引いており、ラウージャとの面会は出来ないと受付で言われた為、白銀騎士団の陣に居ることを伝え、王宮を後にした。


「これじゃ何の為に王宮まで来たか分からない」


「翔様、皆様も出来れば戦争を回避したいはずです、まだイザカロ国を吸収してそんなに経っていないのですから、会議が終わるのを待ちましよう」


「そうだね、ラウサージュ、僕一人が騒いでもどうしようもないし、争い事は国のトップに委せるしかないね」


「はい、お父様は悪いようにはしないはずです」


「ラウージャとラウサージュを見ているとそういう感じするね」


「翔様、それはどういう意味でしょうか」


「子供は親を見て育つと言うからさ」


「まあ、確かにそれはあるかも知れませんね」


「だろう」


たわいもない話に盛り上がり、久しぶりにラウサージュと二人っきりで話をしたような気がする。


はたから見れば貴族の下っ端と王女、全然釣り合いがとれていないように思えるだろう。

ミディアもそう、何故王女が集まって来るのか、自分でも不思議だった。


街を進んで行くと、よく皆から頭を下げられる。

僕に挨拶している訳ではなく、この国の王女のラウサージュに挨拶をしていた。

僕の事は知らなくても、王女の事は流石に誰もが知っていた。


ラウサージュの事が少しねたましく思ってしまった。

僕も一度くらいは、目立ちたいという気持ちがあったが、協調性のない僕はそんな気持ちとは裏腹に、いつも一人だった。


この異世界に来て僕は少しずつ変わったと思っていたが、まだ表面上でしかなく僕の心の奥底には孤独感と他人を羨ましいという感情に支配されているようだ。


「翔様、皆が待っていますよ」


そう、仲間と過ごす事で僕も変わりたい、これが僕の試練なのか。

あと一歩、踏み込めたら僕の人生は変わるかも知れない。


そう思いながら歩いて行くと、街の外れで仲間達が手を振りはしゃぎながら僕を待っていた。


何故だろう。

僕はいつの間にか走っていた。

僕を待っている仲間のもとへ早く着きたいと思った。

僕が気付かないだけで変わっていたのかも知れない。


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