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205 罠発動

船の中に積まれていた大量の火薬に、火矢によって船が燃えたことにより引火し、火薬が大爆発。

船、丸ごと燃えている火災と大量の黒い煙が立ち上ぼり、大爆発により船は真ん中から半分に割れ、海の中へと引きずり込まれていく。


それを見届けるように最後まで見つめていたのは、領主の船に火矢を放った隠密部隊だった。


「海賊達の生き残りは居ないか、きちんと探せよ」


激を飛ばしていたのは隠密部隊の隊長で、イルプレーヌの街で僕を殺そうとした奴だった。

僕は異空間の男ばかりの暑苦しい中、マップで回りを確認していた。

僕のレベルが上がった所為なのか、異空間でも回りの状況がマップで確認出来るようになったし、更に気になった地域を指定すると映像として見ることが出来るよう

になっていた。

但し、この機能は1キロが限界でそれ以上になると反応しなかった。


異空間を閉じているので、隠密部隊は僕達に気付く事が出来ないようだ。

それにしても、


「暑苦しいんだ、少し離れろ」


「翔、仕様がないじゃないか、こんな狭い所に200人ちょっと詰めているんだから」


「それに、勝手に部屋に入ったり、回りの物に触ったりするなよ、僕まで被害が及ぶかも知れないから」


そう言って、僕はマップで隠密部隊の行動を映像で見ていた。


領主の船と共に巻き込まれて沈んでいく海賊達の船が映っていた。


「お頭、海賊達の生き残りは居ないようです」


「そうだな、俺のスキルにも反応が無いようだから、海賊達は全滅だな」


「このまま海賊達のアジトに奇襲をかけますか」


僕は、その言葉に凍りついた。

アジトに仲間を残したままなのに、今アジトに奇襲されたら、海賊達の老人、女、子供しか居ないのに皆が危ない。

ここで出て行って決着をつけるか、そう考えていたら、隊長は


「いや、アジトまでは良いだろう。まだ正確な場所も分からないし、あと残っているのは戦えない者ばかりだろう。

それに領主の命令は、海賊達の戦力を削ぐことだから、これで十分だろう。

皆、引き上げるぞ」


隠密部隊の集団は、進路をイルプレーヌに向けて移動し始めた。


『翔様、敵は移動し始めましたが』


『分かっている、ありがとうエアル、奴等が港に入るまで待つから、そうしないと直ぐ感ずかれる可能性があるからな』


僕は、隊長のスキルという言葉が引っ掛かっていた。

隊長は、何かのスキルを発動させて、生存者の確認を行なっていた可能性を考えていた。

そうなると、直ぐにのこのこと出ていくと、見つかるかもしれないし、隠れた意味がない。

このまま海賊達が全滅したと思われていた方が今後動きが取りやすいだろう。


僕は30分後に隠密部隊が港に入ってしまうのを確認して、ディメンションルームの扉を開けた。


勿論、船の上で作ったディメンションルームだから今は水面から10程の高さの空中に扉はあったので、開いた瞬間、勢いで海に落ちるかと思いヒヤヒヤした。


「さて、どうやって帰るかだ」


「翔、もうすぐ干潮になるから潮の流れが逆になるはずだから、海に浮いている船の壊れた木片にしがみついて行けば、直ぐ着くんじゃないか」


「木片を使うか、なかなか良い案だな大地」


「だろう、だって俺は孔明だから」


「その割には、領主の罠に見事に引っ掛かっていたじゃないか」


「それは…」


「翔が助けてくれる事も作戦の内だよな、大地」


「そ、そうだよ、佑樹の言う通り、三人できちんと作戦考えたんだから、なあ健二」


「あ、そ、そうだったな、作戦通り大成功だな」


「はい、はい、お前達に何言っても一緒だな、あの板切れが良いな」


「翔、板切れをどうするつもりなんだ」


「ん、サーフィンで波に乗って帰ろうかなと思って」


「サーフィンって出来るのかよ、翔」


「やったことないけど、まあ見てな」


僕は海に浮いている長さ二メートル、幅50センチの板切れを見つけ、それ目掛けて飛び降りた。


「翔!」


止めようとする仲間を置いて飛び降りたというより、飛んでいた。

風の力、風圧で落ちる速度を落とし、ゆっくりと板切れに降り立った。

僕の重みで沈むかと思いきや、次は水圧を利用して板が沈まないようにとバランスがとれるように板切れの下から水圧を調整した。


「凄いな、翔、でも板切れに乗っても波がいつ来るか分からないぞ」


「大丈夫、心配するな」


僕は一つ大きな波を起こし、その波にサーフィンの要領で波乗りをやってみた。

どうやら上手く行きそうだ。


「ディメンションルームも、一度閉めるから気を付けて」


「ちょっと待て、まだ…」


ディメンションルームが閉まったので、最後まで聞き取れなかったが、別に対したことではないだろうから、後で聞けばいいかと思い、アジトに向かってすすみだした。


潮の流れと波のいきおいで、どんどん進んでいく。

時々波に触れたりすると、冷たくてとても気持ち良い、サーフィンの映像で良く見る波のトンネルを作り、その中を通ったりと遊びながら進み、最後の岩礁地帯は、マップで行くとき確認していたので、通り道をマップで確認しながら進みアジトに到着した。


アジトの港に着いた時、出迎えてくれてのはファミリの仲間達だったが、何だか少し怒っているように見える。


僕、何かやらかしたかな


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