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198 開拓

仲間達は、少しずつ回復してきていたが、まだまだ時間はかかりそうだったので、その間に僕は少なくなった食料を手に入れる為、狩りに行ったり、

村の畑の手伝いを精霊達と行なっていた。


畑を耕すのはエルダに任せれば早い。

何て言ったって土の精霊だから。


「エルダ、この辺り一面耕して」


「は~い、ご主人様」


土が勝手に地中から爆発したようにかき回されている。

村人達は、最初驚いていたが僕達が耕すいることを伝えると、村人達は耕し終わった所に種を植え始める。


僕は少しでも飢えて困らないように、回りの森の木をエアルに切ってもらい、ウェスタに切った木を焼いてもらう。

焼き畑にしてエルダが耕しす、これで今までの倍の広さになったはず、ついでに村の中に水路が通って無かったので、アルケーに近くの川から水を引いてもらった。


広さが倍になった分、畑を維持していくのが大変だが、食料も倍になるはずだ。

暇があれば狩りに出掛け、取れた獲物を村人達に分け与えていたら、村長が話かけてきた。


「ありがとうございます、翔さん。

村の為にいろいろとしていただいて感謝しております」


「いえ、仲間が回復する間、場所を借りてますので、そのお礼です」


「それにしても魔法とは凄い物ですな、あっという間に畑を耕してしまい、水路まで作って、驚くばかりです」


「畑を広げて、逆に迷惑ではないでしょうか」


「いえ、耕してしまえば、後は手入れするだけですので、畑を広げてもらって感謝するばかりです」


「そうですか、それは広げた甲斐がありました」


「ところで翔さん、小耳に挟んだのですが海賊の拠点を探していると聞きまして」


「村長、何か知っているのですか」


「はい」


そう言うと辺りに誰も居ないか、キョロキョロと回りを見渡した。


「翔さんなら私達の味方と思い話しますが、これは内密にお願いします。

村の護衛の騎士達にも話してませんので」


「はい、分かりました。

兎に角、手掛かりが欲しいのです」


「では、お話します。

海賊達は、元々ここから更に南に行った所にあるフィールドキャスルという魚村が有るのですが、ここ数ヶ月、魚が捕れずに税金を一時的に止めてもらうようにイルプレーヌの領主にお願いをしたのですが、国に納める税なので止めることは出来ないと言われ、漁民達は飢えるしか無かったそうです。

そこへ三人の謎の人物が現れて先頭に立ち、漁民達を引き連れて海賊になったそうです。

でも海賊と言っても、狙うのは領主の船だけ狙っているらしく、他は被害がありません。

それに回りの村に金品や食料を配っているので、義賊と呼ばれてたりしてます」


「成る程そうなのか、まずはフィールドキャスルの漁村に行ってみるか。

その三人は、僕の仲間かもしれないから」


「翔さんの知り合いですか。

それならこれをお持ちください」


木で出来た鍵のような形をした物を渡された。

表面には、いろいろ文字が書いてあったが読めなかった。


「これは」


「はい、割り府です。

これと相手の持って要る物を合わせて一致すれば、もしかすると海賊達の居場所に案内してもらえるかも知れません」


「これをもらって良いのですか」


「向こうの信頼を勝ち取らないと、ただの板ですが試す価値はあると思います」


「ありがとうございます、村長」


「いえ、こちらにそ、ありがとう。

内密にしてくださいね」


「はい、勿論」


僕は、今までにしたことが無駄ではないと感じた。

何をやっても何か空回りしていたけど、別に見返りが欲しい訳ではないのだが、こういう風にみかえりが返ってくると何だか嬉しい気持ちになれる。


僕は村長に手を振りながら別れ、キャンピング馬車へと戻って行った。

夕食を作りながら、僕は先程のことを思い出すと何だかニヤケてしまう。


「何、ニヤケてるですか」


「アナンタ、いや、さっきの事を思い出したら、ついね」


「また、浮気ですか~」


「違うよ」


「もう、これ以上増やさないで下さいね、翔様」


「分かってるよ、エアル」


精霊達とアナンタは料理の手伝いをしながら話していたが、よく細かいところまで見ているなと感心する所もある。


早く次の目的地に行きたいが、まだ仲間達が回復してないで、動けずにいた。

海賊の討伐隊に先を越されないよう、そして隠密部隊に会わないように願っていた。


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