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196 異空間魔法

僕は一人、魔物討伐の報告の為に村の中に入って行った。

何日か前に、村人達は竜が襲ってくると大騒ぎしていたのに、今は普通の生活に戻り村の回りの畑で仕事をしている。

護衛の騎士達も、巡回しているのが見えた。


僕は村長宅を目指して、家と家の間を道なりに縫うように進んでいたが、大人達は仕事に出掛けているのか全くおらず、見かけたのは子供達だけだった。


後は働けなくなったおじいさん、おばあさんが家の中に居るらしいが、出会うことはなかった。


村長宅に到着し、中に通してもらいフレイムゴーレムの討伐の報告を行なった。


「ありがとうございます。これで気兼ねなく仕事が出来ます。

それで報酬の方なのですが、見ての通り村は生活摩るのに精一杯でそんなに余裕がないんです。


それで申し訳ありませんが、報酬は銀貨一枚でお願いしたいのですが」


フレイムゴーレム討伐に銀貨一枚はかなり安い報酬だと思ったが、この村の暮らしを見ていたら銀貨一枚も集めるのが大変だったに違いないと感じる。


途中ですれ違った子供達は、元気ではあったが、皆、痩せこけて筋肉がついていない、あまり食べ物を食べていない気がした。


僕は銀貨一枚をもらわず、その銀貨一枚で皆で美味しい物を食べるようにお願いした。

村長は報酬だからと言って渡してきたが、僕は皆で美味しい物を食べろと返す。


そんな事を何回か繰り返し、僕が村がもっと豊かになったらもらうという事で、村長はしぶしぶ引き下がった。


僕は帰り道に出会った子供達に、リングボックスに入れていた食べ物を少し分けてあげた。

子供達は、最初キョトンとしていたが食べ物を分けてあげる事を知ると村中の子供達が、集まって来た。

人数は12人と少なかったので、皆に少し多めに渡していった。

さて、一週間は動けないから、どうしようかな。


いろいろ考えていたが、異空間室ができないか挑戦してみようと思い、ラドンの異空間室で、感覚は分かったつもりでいたが、実際やろうとするとこれが難しい。

こんな事、本当に出来るのだろうか。

何回かやっている途中に声が聞こえてきた聞こえてくる。


「翔殿、それでは無理ですよ」


「誰だ」


「私ですよ私、賢者の指輪をお忘れですか」


言われるまで気がつかなかったが、そういえば指輪2個つけていたんだっけ。


「その賢者の指輪が何のようだ」


「本当はこのまま眠りにつこうかと思っていました。」


「え、どうして」


「それは私の存在価値が、無いからです」


「なぜ、無いの」


「それはほとんどのスキルや効果が翔殿には無意味であり、ダブっているのがほとんどだからです。

でもリングボックスの容量の多さは誰にも負けません。」


「なら、どうして突然出てきたの」


「異空間魔法を教える為です」


「僕にも使えるようになるのですか」


「はい、私の知識をそのまま翔殿に伝授して、私はそのまま眠りにつきます」


「何かやりたい事あったから、リングに意識を残してきたのでは無かったの」


「それは、もう翔殿がやってくれると確信示したので、安心して眠りにつくことが出来ます」


「そうなのか、なんだか寂しいな」


「さっきまで、存在忘れていたくせに」


「何か言いましたか」


「いえ、何も言ってませんよ。

それでは伝授しますといっても、メニュー画面に出てくるだけだと思います。」


メニュー画面を開き、確認すると確かに異空間魔法が増えていた。


「これはどうすればいいの」


しかし、賢者の指輪から反応は無かった。

また深い眠りに就いたのだろうか、それとも二度と現さないつもりなんだろうか。

早速、覚えたばかりの異空間魔法を使って見ることにした。


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