182 竜の試練 11ー14階層
1週間も寝て、昨日1日ゆっくり休んだので今日は疲れも取れ絶好調に調子が良かった。
相変わらず試練の迷宮の中は、何か違和感があったがレベルが上がりやすくする為に負荷がかかっているからと考えていた。
1 1階層に上がるとコボルトが五匹襲いかかってきた。
コボルトは狼が二本足で立っているような感じで棍棒を握っていた。
レベルは110だが数が多い。
レベルは僕の方が高いが五匹倒せるか、そう思いながら僕はコボルトに突っ込んでいく。
剣を構え、一番近くにいるコボルトに狙いを定め、コボルトに向かって走っていく。
すると今までにない現象が起こった。
先ほどまで、動きが早かったコボルトが、いざ戦おうとするとスローモーションのように遅くなった。
レベルは110なのでスケルトンより強いし、狼ぽいからそこそこ素早さはあると思うが、戦闘に入った時点から明らかに遅くなっていた。
これも僕の力なのだろうか、コボルトがゆっくりと僕に攻撃してこようとしていたので、その隙に10回切り刻みすり抜けて、次のコボルトに向かう。
コボルトは走っている途中だったので、力一杯縦に一線切り裂きコボルトは半分に裂けてゆく。
僕の後ろから来ていたコボルトを横に回転しながら切り裂き上下に別れていく。
あとの二匹を独楽のように回転しながら何度も切り裂いていく。
戦闘が終わり僕の速さが元に戻るのと同時にコボルト達は一気に霧となって消えていった。
「翔様、いつの間にか速さがかなり上がりましたね」
「ご主人様、速すぎ~」
「戦うことに一生懸命で、コボルトの動きが遅かっただけですよ」
「それは違いますよ、コボルトが遅くなったのではなく、翔様が早くなっていましたよ」
「え、そうなんですか」
「だんだんと力をつけてきましたね、それに比べてアナンタは…。」
「お兄ちゃん、私だって強くなっているわよ」
「それは翔様が、魔物を倒して経験値を稼いでくれているからだろう」
「それでも私のレベルかなり上がったもん」
アナンタのレベルを確認するとレベル98まで上がっていた。
アナンタも一気に上がっているようだ。
そういえば外の人にも経験値は入るのだろうか、聞いてみたら、
「はい、外にいるファミリにも経験値は入りますよ。ただ距離がどのくらい離れているかですが、その距離はマスターによって変わってくるので、翔様次第で経験値の入る距離にいるかどうかになります」
出来れば仲間達にも経験値入って欲しかった。
その方が今からの戦いやスキル習得に振り分けられるポイントも増えるから楽になるはずと考えていた。
どうか僕の範囲が届きますようにと心の中で祈った。
もうコボルトでは相手にならず、僕はなるべくアナンタに攻撃させようと考え、アナンタを主軸に僕は補佐をしながらコボルトを狩っていった。
そして14階層まできたとき、ラドンが今日の終わりを告げ異空間室で休憩に入った。
とっとと料理を作り、食べ終わってから僕のゆっくりとした休憩時間が始まった。
外の時間でもかなり時間が過ぎただろう。
仲間達は、何をしているだろうか、会えない仲間達に気になったが、今はこの迷宮をクリアしないといけないと思いながら、僕は異空間室が出来ないか、あれこれ考えていた。





