178 自分のスキル
僕は出会うスケルトンでいろいろ試していた。
スキル飛剣、剣を振って風の刃として残撃が飛んでいく。
火炎剣、水流剣、風空剣、土石剣などの名前を付けて発動させると、きちんと属性毎に発動する。
僕自身が精霊無しに、四大元素が使えることを確認したが、なぜ使えるのだろうと疑問に感じた。
三階層に入り、スケルトンのレベルが103が三体ずつに、僕のレベルは130、アナンタはレベル72まで上がっていた。
「翔様、まだ何かお悩みでしょうか」
三階層に入り、ラドンが声をかけてきた。
「はい、スキルの件なのですが、精霊達が居ないのに四大元素のスキルが使えることは分かり、これが僕の力だと思ったのですが、何
か勘違いしているような気がするのです」
「なるほど、まだ自分自身の事がよく分かってないということですね」
「それがご主人様じゃないの」
「アナンタ、それじゃ試練を越えた事にならないんだ。
自分自身を見つめ直して、何が出来るのか、それを探さないと」
「ふ~ん、ご主人様も大変だね」
「アナンタ、お前も試練受けてるから、試練を越えないと成人出来ないんだぞ」
「分かってるわよ、お兄ちゃん」
スケルトン三体でも、まだ余裕があった。
アナンタのブレス攻撃、僕が素早くスケルトン達の間に入り切り裂き走り抜け、そのあとをアナンタがドラゴンクローで倒していく。
アナンタを見ていると、レベル72なのにスケルトンのレベル103より強い、元々の竜の基礎能力が高いのだろう。
王竜の圧倒的な強さを目の当たりにしたら、将来アナンタもあの強さになると思ったら、レベルが低くても強いのは当たり前と思ってしまう。
僕も負けないように強くならないと…。
スキル鏡花水月、あまりの速さに攻撃した所にはもうおらず、残像だけ残して違う場所にいる。
いろんなスキルが浮かんでくる。
スケルトンをアナンタと協力しながら倒していくが、スキルを使いながらふと思った。
考えたスキルの中に、四大元素に関係ないスキルがある。
「もしかして僕のスキルは、精霊達の四大元素に関係してないのか」
「確かにそうですね、関係している物も在りますが、四大元素に関係ないかも知れませんね、もう一度自分のスキルについて考えてもいいかも知れませんね」
「ご主人様、お腹すいた」
「アナンタ、大事な話の途中で …、全くもう」
「だって食べないと死んじゃうよ」
「一食くらい抜いても死なないよ、逆にそのくらいが丁度良いんじゃないの」
「そんな~、ご主人様」
「翔様、そろそろ今日はこの辺りまでにしましょうか」
「もうそんな時間なのですか」
「はい、翔様もスキルについて考える時間が必要なのでは」
「そうですね、次の階まで行きたかったけど、無理していくと余裕がなくなり、ゴテゴテになってしまうから、ここは無理せず休むか」
もうすぐ三階層も終わりに近づいているが、ラドンに異空間室を開けてもらい、休むことにした。
食事を取り、ソファーに腰掛け自分のスキルについて考えていた。
自分の考え付いたスキルが、直ぐにメニューのスキル欄に載ってくる。
精霊達が関係ない無いなら、僕が考えた物がスキルになるってことなのか、試しにスキルを考えて見るが、こんな時には全然思い付かなかった。
目を閉じて考えていたら、いつの間にかソファーで寝てしまっていたようだ。
気付いた時には、もう次の日になっていた。





