177 僕の力
次の日、竜の試練の途中の為、太陽の位置が分からない事と、時間の進み方が違うので多分次の日だと思うけど、ラドンに起こされ、出発の準備を促される。
いつの間にか食事係となっていたが朝食の準備の取りかかり、ラドン、アナンタと一緒に食事をとる。
それにしてもこの空間は不思議だった。
窓が無いだけで、普通の部屋と変わらなかった。
この部屋が僕にも使えたら、キャンピング馬車など必要ない、僕が休みたい時に空間を開ければ良いのだから、それに移動は僕一人で
皆は部屋の中で過ごすというやり方もできるはずだった。
ラドンが空間を閉じると、元の洞窟の壁へと戻った。
「ラドン、その異空間教えてもらえませんか」
「これは教えられる物ではありません。
私のスキルの1つなので、翔様ももしかすると覚えらるかもしれません」
「そうですか…、そうですね、もしかすると僕もそのうち使えるようになるかも知れませんね」
「はい、誰もが可能性を持っていますので」
「お兄ちゃん、私も使えるようになる~」
「…、アナンタには多分無理だ」
僕達は試練へ戻る。
スケルトン討伐の開始だ。
まだ何を示せばいいのか分からなかったが、兎に角スケルトンを如何に効率よく倒せるか、それが問題だった。
精霊達の力が使えない僕は、剣を使うしかないので、剣の扱いが上手くならないといけなかった。
剣のレベルを見るとまだ36しかなく、全然、剣が上達していない事に気付いた。
『今は兎に角、剣のレベル上げよう』
と僕は思った。
迷路を進みながらスケルトンを斬りまくりすすんでいく。
スキル疾風迅雷を使い、素早さを上げスケルトンが追い付けない速さで、何も考えずに切り裂いていく。
次から次に倒していくと、だんだん不思議な感覚にとらわれる。
目の前のスケルトンに狙いを定めているのだが、スケルトンだけではなく僕の周囲360度見えていた。
ラドンとアナンタが後方で見守っている。
目の前のスケルトンが剣を振りかぶり、振り下ろそうとしているが、僕の後ろに回ったスケルトンも同じように行動をとっていたので、僕は横に交わし同士討ちを狙った。
狙いは的中しスケルトン同士で、攻撃しその隙に僕は二体同時に横一線切り裂き倒した。
スキルを使ったという感覚はなく、ただ僕の意志で同じような現象が起きたと言った方が正しいか。
ふと考えていた。
元々、疾風迅雷などのスキルは精霊達の力を借りて使っていたと思っていたが、今は精霊達は居ないので使えるはずがないのでは…、それとも僕自身で自然の力、風水火土の力が引き出せるように成っているのか、もしそうだとしたら、それが僕の力ではないだろうか。
もう少しいろいろ試してみようと、次のスケルトンを探した。





