176 迷宮迷路
僕は、次の魔物を探して迷宮をさ迷っていた。
マップ画面に反応、一匹だけ居るようなので気付かれる前に速攻で倒す作戦をとることにした。
マッブで確認しながら50メートルくらいまで近づき、そこから一気に加速し、魔物を確認、またスケルトンだ。
加速した勢いで、剣を振り下ろす。
スケルトンは気付いてなかった為、こちらに背中を向けていた。
振り下ろした剣は体の半分、腰辺りまで深く切り裂いたが、スケルトンはこちらに振り向き攻撃してこようとしたので、刺さっている剣を抜き、更に横に右へ、左へと二撃加えてスケルトンは崩れ落ち霧散した。
それからスケルトンを一体ずつ5匹倒したが、何だか違和感があった。
スケルトンを効率よく倒しきれないということもあったが、経験値もそんなに多く入ってこないし、数を倒してないせいかも知れないが何がおかしい。
「う~ん、何だろう」
「翔様、どうかされましたか」
「さっきから何ひっかかるんですよ」
「どういう事でしょう」
「レベル上げには丁度いいと思ってきたけど、魔物のレベルが高く確かにもらえる経験値は高い気がするけど、それならレベルの低い敵を多く倒した方が効率いいような気がするけど、それだけではないような気がするのですが、それがわからないんですよ」
「なるほどですね、それじゃ特別に私からヒントを1つ言いましょう。
試練とは何か、それが分からないとこのまま試練を突破出来たとしても、王竜には会うことは出来ないでしょう。
これはアナンタ、お前も一緒だからな、私が言えるのはここまであとはご自身で下さい。
時間は、まだまだありますから」
試練、試練とは何か…。
「翔様が止まっているみたいなので、ここら辺りで休憩しますか」
「あ、ごめん、考えていたら止まっていたみたいだね」
「もうそろそろお昼頃なので、丁度いいかも知れませんね」
「やった~、お昼ご飯~」
「アナンタ、もう少し大人しく出来ないのか」
「だってお兄ちゃん、こどもは食べ盛りだから」
「いや、ただの食い過ぎだから」
「翔様~」
防護壁を張り安全を確かめてから、お昼ご飯の用意にかかった。
僕は昼食を食べながら、先ほどの話を考えていた。
試練とは…、何かを試されているということなのか、竜の成人する為の試練だからアナンタに関していえば、竜の力をこれだけ持っていますよと示せば、成人として認められると言うことだろうけど、僕の場合は、何を試されているのだろうか。
精霊達の力が使えないし…、他の力は使うなということか、だから僕一人で精霊達は連れてこれないよう防御されていた。
僕一人で力を示せということなのか。
僕の力って何だろう、剣で戦う事ではないだろうし、強大な隕石を落とした力か、でもあれは精霊達の力を借りて出来た事だし、自分自身の力って何だろう。
この答えがわからない限り、この迷路みたいに僕も迷宮の中に入っていくことになるだろう。
「さあ、翔様、そろそろ出発しますか」
「そうですね」
僕は答えがでないまま、迷路へとすすみだした。





