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169 夜の探索

村の外に止めてある馬車で、僕とルナは夕食の準備をしていた。

馬車の中にも台所は付いていたが、狭かったので外でいつものように、かまど、テーブル、椅子などをエルダに作ってもらい、テキパキと料理を作っていく。


日も傾き初め、夕暮れ時になると農作業をやっていた村人や兵士達は村の中に入って行った。

聞こえるのは風の音と、風で木々が揺らされてこすれる音、虫の声、そして何か分からないが猛獣の唸るような声が聞こえていた。


馬車の防護壁が張られているから、魔物などに襲われる心配はないといえ、夜になっていくと回りは不気味に見えてしまう。

料理の準備が整い、皆で夕食を取っていた時、


「翔殿、ちょっといいなりか」


「どうしたんですか、神楽」


「昼間にフレイムゴーレムを探しても、なかなか見つからなかったなり。

もしかしたら、活発に動く時間帯がずれているのではないかと思うなり」


「夜行性って事ですか」


「分からないが、夜に探して見てもいいのではと思うなり」


マップで確認すると、この近くには居ないが確かに夜でも活動している魔物はいるようだが、フレイムゴーレムかというかと実際行って見ないと分からない。

夜は、不気味で何か出そうで、はっきりいって怖い。


村の回りは畑、その回りを囲むように小さな森が囲んでいた。

その先は、溶岩の岩石だらけで至る所に穴が開いているので不気味さを増している。

出来れば行きたくないというのが本音だが、断りきれるか。


「夜は危険では、どこから何が出るか分からないし」


「しかし、夜に探さないと見つからないかもしれないなり」


「翔くん、私も付いていくわ」


「私もお供してもよろしいでしょうか」


「俺も付いていくぞ、翔」


「沙羅、ミディア、ラウド、夜は危険が増すから留守番していてくれ」


「賛成なり、夜間に探すのは翔殿、拙者、茜で行きたいと思っているなり」


「私達は連れていけないの」


「夜は思った以上に危険なり、暗視のスキルを持った人でないと明かりのない夜に歩けないなり」


「僕も、皆と残りたいのですが」


「翔殿は、一緒に来るなり」


「え~」


「翔殿」


「はいはい、分かりました。

僕と神楽、茜で夜の探索行ってくるから、皆は留守番しておいてくれ」


「翔くん、私も一緒に…」


「空、皆と留守番していてくれ、ルーク、皆を守るんだぞ」


「分かった、俺らに任しとけ」


食事を終え、夜の探索へと出かける。


「では、行ってくるから」


「いってらっしゃい」


「気をつけてね」


「ああ」


僕と神楽、茜は深い闇の中に消えていった。


暗い闇の中を駆け抜けていた。

正確には神楽と茜に付いていくのがやっとだった。

闇の中は、僕にとってとても恐怖で、何か居るのではと勘違いをしてしまう。

マップを確認しているので、何もいるはずはないのだけど、幽霊などは反応しないだろうなとか考えてしまう。

こんな所で1人置いて行かれるのは嫌だと思いながら、2人に必死で付いていった。


「翔殿、スキルは使っているなりか」


「神楽、スキルって?」


「もう忘れたなりか、暗視スキルなり」


「あ…、忘れてました」


僕は、慌てて暗視スキルを発動すると、回りは昼間とほとんど変わらない状態になり、暗闇の恐怖もやわらいだ。


「すいません、神楽」


「遅れないよう、付いてくるなり」


先ほどより更にスピードが少し早くなった。

少しずつ離されて行くが、先ほどと違い回りは明るいしマップがあるので二人の位置が直ぐに確認できるし、安心感がうまれ少し余裕も出てきた。


そこへ神楽と茜が前方で立ち止まっている

僕も追い付き、視線の先を見てみたら巨大コウモリ、ビッグバットが12匹が岩石で出来た大きな穴にぶら下がっていた。

体の大きさは2メートル、羽根を広げた長さは6メートルはあろうか、時折穴の中を飛び回っていた。


レベルは85、夜の魔物はレベルが高くなっているようだ。


「それじゃ、ウォーミングアップに倒すなり」


そう言うと神楽と茜はビッグバットに向けて走り出した。

僕も置いていかれないように突撃を開始する


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