129 輝光石
何が光っているのか確認する為、近くに寄って見てみると、石自体が発光して光を放っていた。
「この石、何か知っている?」
「すいませんご主人様、私達は分かりません」
「そうなのか、誰に聞くべきか、セレナさんに聞いて見るか」
リングでセレナさんと連絡をとってみる。
「どうしたの、翔くん」
「度々、すいません。
聞きたいことがありまして、この石なのですか、何なのか分かりますか」
「どれどれ、あ、その石は…。
どうして手に入れたの翔くん」
「ダンジョンを深く掘っていたら、この石の層に当たったみたいで…」
「凄いわ翔くん、その石は輝光石と呼ばれて、とても高価な石よ。
聖霊石の10倍~20倍の価値があるわ」
「そんなにですか」
「ええ、宝石としても魔法道具にも何でも使えるから、とても価値が高いの」
見る限り輝光石の光が、かなり奥まで続いている。
「ありがとうございます。セレナさん。
早速確保します、それでは」
「ちょっと翔くん」
僕は慌てて、通信を切り冒険者達にばれないように入り口を埋め戻し、神社の後ろにある操作室から行けるように道を作り直した。
そして、それとは別に地下50階に続く道を作り輝光石の洞窟に気付かれないようにした。
地下への道をエルダに任せ、僕は他のメンバーと輝光石を集めるために、操作室から開けた穴を通り、洞窟内に入った。
星空のような輝きを放つ輝光石を集め始めると、精霊達も一番星のように一番輝いている石を狙って取りに行っている。
「見てみて、これが一番輝いているわよ」
「私の方が輝いているわ」
「ダーリン、これよね」
競い合うのはいいけど、僕を巻き込まないで欲しいそう思っていたら、アナンタが特大サイズの輝光石を手に入れ持ってくる。
「ご主人様、これが最大級の輝光石ですよね」
アナンタは、ニコニコしながら石を見せてくる。
確かに、他の石と比べると倍以上の大きさはある。
これを売ったらいくらになるだろうか。
財政の足しになればいいと思い、小一時間ほど掘り、かなり集まったのでこれを首都に行って売りに行こうと思った。
エルダは、今地下34階付近を掘っていたが、フルールイルにつく頃には暗くなってしまうので、ここら辺で切り上げて戻ることにした。
途中、冒険者達の何人かが死にかけていたので、助太刀して回復薬を分けてあげた。
そして街につく頃には日は落ちて暗くなっていた。





