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124 別れ

ギルド本部の引っ越し作業が、着々と進んでいた。

僕も荷物をまとめたり、荷馬車に積み込んだりと手伝っていた。


「翔くん、ここのギルド本部の引っ越しが終わったら、ここを拠点として使ってね」


「分かりました。

セレナさん達は、もう戻らないのですか」


「長老達がいるから、たまに遊びにくるから寝泊まりできる部屋だけ用意しておいてね」


「広い部屋を用意しときますね」


ギルド本部の中の荷物が、片付いてくると何だか寂しい気持ちになってくる。

とても大きな建物で部屋数も部屋の大きさの大小はあるけれど、30部屋ある。

会議室、事務室、図書室、応接室、そしてセレナさんが使っていた団長室、ほとんどの荷物が無くなりガランとしている。

団長室に残された机と椅子に、僕は何気なにげに机に触れていた。

『セレナさんが使っていた机と椅子』使い込まれた机、擦り傷やシミがあちこちについている。

まだまだ使えそうなので、思い出のこもった机と椅子を僕はそのまま使おうと思っている。

そこへ、セレナさんが扉を開けやって来た。


「翔くん、ここにいたんだ。

荷造り終わったから、そろそろ出発しよう思ってるのんだけど…」


「はい」


べつわかれじゃ無いんだけど、まあ、サンピースなんて直ぐ近くだし、何かあれば直ぐ会えるし、だから…」


「はい」


「通り道なんだから、通る時は寄ってね」


「はい」


「じゃあね」


「あ、そうだ」


「なになに」


「この指輪聞くのを忘れてました」


「…、賢者の指輪と言われているわ、詳しくは分からないの、私もおとぎ話の話と思っていたから、実際に見たのは初めて長老が何か知っているかも知れないから、暇なとき聞いてみて」


「ありがとうございます」


「じゃあね、この街をサンピースに負けないくらいの大きな街にしてみて」


「はい、競争ですね」


「負けないわよ、翔くん、また」


「また」


セレナさんは、何か言いたそうだったが、そのまま振り向き扉を開け出ていった。

セレナさんの前だと言いたいことが言えずに言葉が詰まってしまう。

もう少し話す事ができたら、もう少し行動にうつせたら、もう少し違った人生になるのではないかと考えてしまう。

『セレナさんより強くなるまで待っていてください』

僕は心の中で誓っていた。


次は、自分達の引っ越しをしないとね。

自分達の荷物を、ギルド本部、今は支部になるのかなぁ、荷物を運び入れる。

荷物自体あまりないので、引っ越しは直ぐに終わった。

今まで住んでいた場所は、孤児院として解放することにした。

あとは人選をどうするか、

部屋に戻り後片付けしながら考えていた。

この屋敷で一番大きい部屋を貰った。

士爵という位もあるが、精霊達、アナンタなど大勢で住むので大きい部屋になった。


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