表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
123/1026

123 剣舞

朝早く、日が昇る前に目が覚めた。

昨日のことが夢のように思えたが、夢ではなかった。

隣ではセレナさんが木に寄りかかり眠っていた。

セレナさんの顔をのぞいていると、また変な気を起こしてしまいそうなので、その場を離れ、朝の瞑想の為に城壁の上へと登った。


『シュッ、シュッ』


城壁の上から聴こえてきたのは、剣を振る音。

誰かが、剣の練習をしているようだ。

まだ暗闇の中、剣を振る音だけが響いていた。

目をらして辺りを確認すると、


『いた』


一人、剣舞けんぶのようにかろやかに舞い、剣で切り裂き、突いたり、あまりにも美しく思わず見とれてしまっていた。

暫くすると、向こうもこちらに気付いたのか剣舞を止め、こちらに近づいてくる。


「あ、ミレナさんか」


「あ、は無いでしょう。

誰と勘違いしてるのかなぁ」


「いえ、そんなつもりは…、あまりにも剣捌けんさばきが美しかったので見とれていました」


「ありがとう、翔くん。

ところで何をしているのかなぁ、翔くんは」


「僕は、朝の瞑想をしようと思って城壁に登って来ました」


「そうなの、なら一緒に瞑想しようか」


僕とミレナさんは、日が山から出てくるまで瞑想を行った。

その頃になると人々が動きだし、活気が溢れだしてくる。


「サンピースへの引っ越しが終わるまでは、いつでも会えるけど、引っ越しが終わったら暫く会えなくなるね、翔くん」


「いつでも会いに行きますから、ミレナさんも会いに来て下さい」


「そうね、口うるさい長老達は、ここに置いていくから会いに来ないと文句言われるからね」


「そうですね」


僕とミレナさんは、にこやかな笑顔を返して別れた。

城壁を降りると、皆、朝食の準備で右往左往していた。

僕も手伝おうとしたが、領主にはさせられないと言って断られた。


これからどうするか、考えないといけないが、軍師や参謀が居れば任せられるのに、そう思いながら朝食を取る。


一人ボーッとしながら回りの景色を見ていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ