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12 精霊のファミリー

目が覚めた時、回りは明るく部屋に日の光が差し込んでいた。

外からは鳥のさえずりが聞こえてくる。

どうやら朝のようだが、いつの間にベッドで寝ていていたのだろうか考えても思い出せない。

ベッドで横になったまま昨日の事を思い出してみる。

広場に集まって、そして宴会が始まって、セレナさんと戦って...。

ん?、体中からだじゅうを確認して見てみたが、傷どころか痛みもない。


「あれ昨日のことは、夢だったのか?」


誰も居ない部屋で独り言のように呟くと、


「夢じゃないわよ」


誰も居ないと思っていたから、突然、声がしたのでビクッとなって少し驚いたが声のした方向に振り向くと、窓のさんに腰かけている精霊のエアリエルがいた。


「昨日は残念だったわね、もう少しで一太刀ひとたち入れられたのに」


「あ、え~っと、昨日はキミが助けてくれたんだよね。

お礼も言わずに助けてくれてありがとう。

ところでキミは精霊なんだよね、どうしてここにいるの?」


「私達精霊は気ままで、いつものんびりしているんだけど、私はそんな生活に飽き飽きしていた所なの。

精霊にも人間で言う格差があって、上からの命令は絶対なの。

だから命令があれば何より先に指示に従わなければならない。

でも私は自由が大好き、上からの命令なんて、まっぴらゴメン。

そんな訳で命令されるより、命令する側に私も早くなりたいのよね。

そうすれば面倒な事は下に命令して、自分はのんびり自由になれるじゃない。」


これはダメな上司だと思ってしまうのは僕だけだろうか?


「その為には強い力場のある所で、エネルギーを浴びて吸収し続けないといけないの。

貴方から発しているエネルギーは、貴方は気付いていないかも知れないけど、今までに見た力場の何処よりも強いエネルギーを発しているわ。

だから強いエネルギーを持っているあなたの側にいれば、他の力場の何処よりも効率よく力が上げられると思うの。

勿論、ただ貴方のエネルギーを浴びるだけだから、貴方には何の危害も無いわ。

その代わり私が手助けしてあげるから、ギブアンドテイクって事で」


「ということは...」


「よろしくね、マスター!」


メニュー画面が、勝手に開き、ファミリー承認欄しょうにんらんが点滅している。

昨日の稽古けいこでも、かなり助かったしなぁ、そばにいてくれた方がいいか...。

承認欄で、ファミリー受付を承認をする。

ファミリーの欄に、精霊エアリエルの名前が出てきてる。

レベルは1で、信頼度が10になっている。


「翔様が頑張ってレベル上げれば、私も一緒にレベルが上がるから、そしてレベルと信頼度が高いほど、強力な魔法が使えるようになるわ」


その時『コン、コン』ドアをノックする音が聞こえる。


「翔くん、起きてる?入るわよ」


セレナさんの声だった。


「あ、はい、どうぞ」


「どう、気分悪くない?」


「昨日は、どうなったんですか?」


「翔くんが、意識を失ったあと、回復魔法で傷や痛みは消したのだけど、多分たぶんレベル1なのに、いきなり精霊魔法使ったから、マナコストダウンを起こしたと思うわ。

簡単にいうと、魔力が足りずに倒れたってこと。

だから、そのままベッドまで運んだのよ。

レベル1だと、普通は魔法もスキル使えないはずなのに、精霊魔法なんてどこで覚えたの?」


「いえ、ただ精霊のエアリエルに、手助けしてもらっただけで」


「え、精霊って見えているの?」


「はい、窓のところにいます」


「私には精霊をぼんやりと光にしか確認出来ないわ。

ハイエルフにならないと、見ることも聞くことも出来ないと言われているのに...、放浪者だから?」


「それは、分かりません」


「そうなの、精霊魔法は自分の魔力を消費するから、魔法やスキルを使う時は残りの魔力をよく考えて使ってね。

それにしても、いいわね私も精霊見てみたい」


そこにエアリエルが話に割り込んできた。


「私と翔のレベルが上がれば、実体化する事が出来るようになるわよ」


セレナさんには、精霊の聞こえないので僕が代わりに話す。


「レベルが上がれば、どうやら実体化出来るそうです」


「みた~い、見てみた~い、早くレベル上げて!

翔くん、昨日でレベルいくつになった?」


「え、え~っとレベル5!?」


昨日までは確かレベル1だったのに、一気にレベル5まで上がってる剣稽古の成果か。


「まあまあの、上がりかたね。

どうやら大丈夫なようだから、今日は約束通り、朝ごはん食べてから食料調達お願いしようかなぁ。

武器は用意するから、精霊さんもお願いね」


「もち当たり前、マスターの為、頑張りますよ」


セレナさんには見えないし聞こえないけど、まあいいか。

僕は食事をとる為に、ベッドから起き出し部屋を出て、リビングへと向かった。



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