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114 カレー

元イザカロ国の処分が決まったと連絡を受けたので、ミディアと一緒に王宮にいるラウージヤに聞きに行った。


「まず、国王夫妻は死刑を免れたが、流刑るけいとなった」


「流刑とは何ですか」


「いわゆる、辺境地へと追いやられる事を言う」


「あの~、父達は何処へ行くことになるのでしょうか」


「場所までは秘密だけど、王国復興できないような所だよ」


ミディアは、力が抜けたように地べたに座り込み項垂うなだれていた。

僕はミディアの肩に手を置き、


「生きているんだから、またそのうち会えるよ」


僕に言えるのは、それくらいしかなかった。


それから騎士団の編成だけど、元国王と共に行きたいと言った騎士10名は、元国王の警護ということで一緒に行かせることにした。

翔くんの指揮下に入りたいと言った騎士は白銀騎士団に編成、残り騎士300人は、ここの騎士団に再編成される。

貴族達は、私財没収の上、平民に落とされる。

そしてここの統治をクレイダル男爵に、デニスの街を一階級上がったセレナ準男爵が統治することになる。

ミディア王女は、翔くんに預ける事になった。

これは僕の判断で翔くんの実績と信用度から任せるので、裏切らないでくれよ」


「裏切るなんてそんな事しませんよ、僕の居場所はここしかないし、それより意見を聞いてくれてありがとう」


「当たり前だよ、お互いに信頼が大切だから」


「それにしても、この街から出掛けてないのに通信だけで決めているの?」


「ちゃんと王都に戻っているよ。

秘密はこれさ」


ラウージヤは、野球のボールくらいの水晶を取り出す。


「それは、何ですか」


「知らないのか、翔くん。

これは転送装置といって、一人しか移動出来ないけど、行った事のある場所なら移動出来るんだ。

魔法でも、多人数で移動出来るテレポートがあるけど、今は使える人を見たことないな。

ちなみに、この転送装置一個金貨200枚だ」


「高い、人数分買ったらいくらになるか」


魔法を覚えた方が早いか、でも今の所どこで覚えられるのか分からないし、テレポートはあとまわしかな。

僕は、ラウージヤに今日は街の皆に挨拶をして明日、拠点に戻る事を伝えた。


「そうか、分かった」


そういうラウージヤだったが、えらく不気味な笑顔していたので、少し気になったが、そのまま街に出かけた。


王宮を出た瞬間、隼人達に出会った。


「お、翔、なかなか帰ってこないから迎えに来たぞ」


そういえば、サボの街に置いてきていたな。


「ごめん、ごめん、いろいろあって忘れていた」


「だと思ったよ。で、隣の女性は誰なんだ」


「ああ、こちらミディア王女、元王女だな」


「翔、また可愛い子ばかり集めて羨ましいな、いててて!」


誰か分からなかったが、隼人を後ろから

つねった人がいたようだ。


「翔くん、私達がいない間にまた女性を捕まえたの」


「ひどいわ、婚約者の私がいるのに」


隼人の後ろから、女性達がにらんでいる。

怖い、女性を怒らせるととても怖いことが今さら分かった。


空、沙羅、ラウサージュ、ルナ、エマが付いて来て、その後ろに博、紗耶香、藤堂さん、潤、景虎さんがいる。


「潤、お前ここに来て大丈夫なのか、裏切り者だろう」


「ああ、操られていたといえ、騎士達には謝っておこうと思ってな」


「大丈夫なのか」


「そうしないと先に進めないような気がして」


「じゃあ、僕も付いていくよ」


「翔」


「僕を助ける為だったからな」


「じゃあ、皆でいくか」


隼人が言い出した。

そうだな僕達、仲間だからな。

まず元騎士団長に挨拶行かないと、確かもうすぐ国王のあとを追いかけて出発するはずだけど、まだいるかな。

街にある騎士駐在所におもむ)き、騎士達に挨拶かわす。


「団長、勝手な真似してすいませんでした」


「何を誤っている」


「僕が牢屋を開けなければ、立場が逆になっていたかも知れないから」


「それはお前がやった事だろう。

後悔しているのか」


「いえ、後悔はありません」


「なら、いいではないか、俺達は操られていたのだ。そのままだと傀儡くぐつだと笑われていたかもしない」


「しかし…」


「じゃあ、それなら、またカレーを作ってくれ。

あれが食べたくて仕様がないんだ」


「カレーですか?」


「ああ、翔くんの作るカレーが一番美味しい」


一斉に僕の方を見る

また作るのですか、僕は心の中で叫んだ。


「は~、作れば良いんでしょ。

でも材料費がないですが…」


「大丈夫、今回は騎士団の資金から出そう」


「分かりました」


「やった~」


後ろに控えていた騎士達は、皆喜んでいた。

余程よほど気に入ったのか、流石皆大好きカレーだな。


「それでは、皆で支度に取りかかれ」


「了解」


騎士達は、テキパキと動き宴会場が出来上がっていく。

僕も急いで準備しないと、女性達に手伝って貰いながらカレーを作り始める。


「翔、カレー作れるのか」


「ああ、偶々(たまたま)調味料を見つけて、調合したらなかなか良い味になってな」


「久しぶりのカレー、たのしみだな」


「隼人、黙って見てるなら何か手伝えば」


そういったら、材料の買い出しなど手伝ってくれた。

言われないとしないのか。

そして、カレーが出来上がり匂いが辺りに広がり始めた頃、街の人達も集まり出した。

街の人達もお金をして出し会うから、参加させてくれと言ってきたので、また量が増えると思いながらも許可を出した。

ついでに王宮にいるメイドさん達にお手伝いをお願いしたら、王宮にいるラウージヤや配下の者も一緒に付いてきた

僕は鍋を増やして、カレーを作り始める。

その頃になると大宴会が始まっていた。

まだお昼なのにお酒を飲み初め、食べては飲んで喋ってを繰り返していた。

隼人と博、精霊達、アナンタは大食い競争が始まっていた。

カレーを何皿食べれるかを競い、目の前に皿が重なっていく。

カレーを作り終え、あとはメイドさん達に任せのんびりと木の下で座っていた。

何気なく、メニューを開きレベルを確認するとレベル101になっていた。

一気にレベルが上がっていた。

今回の戦いのせいなのか、それとも王宮の横に陣取っている巨大隕石を落としたせいなのか、疲れはてた僕は、ぼんやり巨大隕石を見ていたら、いつの間にか眠ってしまったようだ。

今日も1日、何もなく終わってしまった。

拠点に帰ったら何をしようかと考えていた。

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