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105 城内潜入

木々の間を駆け抜けていた。


「そろそろ合同部隊が、ハムレット奪還に向けて出発している頃でござるよ。

少し急ぐでござる」


急がないといけないのは、分かっているが森の中を駆けるのは、僕にとって大変な事だった。


『そうだ、わざわざ走らなくても飛べばいいんだ』


「エアル、魔法は使える?」


「は~い、使えますよ、ご主人様」


「この封印制御されてる中でも大丈夫?」


「は~い、大丈夫ですよ。実際、今眷属に周囲の警戒させてますので、問題ありません」


「精霊達は、直接魔法を使っているから、影響を受けないようでござるな」


「それなら、エアル、浮遊走フローテイングラン


僕の体が浮き、空中を自在に走れるようになった。

これなら、地面なんか関係なしでスピードを上げられる。

僕は、一歩一歩、確認しながら少しずつ加速していく。

ジェット気流の力もあって、かなり早い。

木と木の間を抜けていくが、目がついていけない。

先程とは逆にムラサメさんも、全速力で追いかけているが追い付けない。


「翔くん、少しスピード落としてくれでござる」


僕は少しスピードを落として、ムラサメさんのペースに合わせる。

早さに目も大分だいぶれてきた。


「それにしても凄いでござるな精霊の力は。

レベル差なんて全然関係ないでござるな」


「そうですね、でも自分のレベルも上げないと、精霊達に振り回されます」


「基本をしっかりでござるな」


僕とムラサメさんは先を急ぐ。

そして王都が見える位置まで来た。

気配を消し、辺りを詳しく観察する。

王都の回りを、10人編成の騎士達が定期的に巡回して警戒している。

空には、ワイバーン部隊が交代しながら都市の回りを旋回している。

警報装置がないか、精霊達に調べてもらったが他にはないようだった。


「さて、どうやって中に入るかでござる…、取り敢えず近づいてみるでござるか」


回りに気付かれないように、静かに木や岩に隠れながら近づいていく。


「次の騎士隊が過ぎたら、城壁に近づくでござるよ」


騎士隊が通り過ぎていく。


「今でござるよ」


城壁まで一気に駆け抜ける。

ここまでは気付かれていないようだ。


「どうやって中に入りますか」


「そうでござるな、騎士隊が城内に入るときに一緒に隠れて入るでござるか」


「そう言えば、隠し門が有りましたけど」


「そこから逃げ出したのでござろう。

もう警戒されているに違いないでござるよ」


「なら、ここから入りますか」


「ここ?城壁で何もないでござる」


「エルダ、崩壊カラプス


城壁が、ひと一人通れる程の穴が開いた。


「翔くんは、今までにない魔法をよく考えるでござるな」


「いえ、都合の良いことしか考えていないので」


城内に入り、城壁をまた元に戻す。


復元リーインスティト


「ここからは、ばれないようにスラム街の人間のように振る舞うでござる」


城内は、意外と戦争をやっていると思われない人通りで、にぎわいを見せていた。

前に来たときと変わらない風景がそこにあった。


時々、騎士隊の巡回に出くわしたが、脇道にれたり、家の影に隠れたりして対処した。

商店街の中心辺りまで来た時、突然、警報のかねが鳴らされた。


多くの騎士隊が列を組み街を巡回し、ワイバーン部隊も100騎、空中に舞い旋回している。

今まで以上に警戒が増していた。


僕達が、何かの警報システムに引っ掛かり正体がばれたかと思ったが、そうではないみたいだ。


騎士隊達は、自分達を探しているというより、警戒レベルが上がり巡回が強化されたと言った方がいいかもしれない。


上空を旋回していたワイバーン部隊のうち、20騎ほどがサボの街の方へと向かっていった。


僕は、言い知れぬ不安が突然襲い、『遠視ファラウェイアイ』でワイバーン部隊の飛んでいった方向を確認する。


一人、こちらに飛んできている人がいる。


「まさか!」


もう一度、詳しく確認してみる。

背中から出た大きなドラゴンの翼を羽ばたかせ、姿は幼女のままでこちらに向かってくる。


「アナンタ!」


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