104 街道
街道を進むと、ハムレットと王都の分岐点までやって来た。
ここまで来るのに小一時間はかかっただろうか、辺りは既に明るくなっており、清々しい風が吹いている。
サボの街に向かうときは、森の中を迷いながら通ったせいか1日はかかったはずなのに、街道を通ると意外に早く着いてしまった。
「ここら辺で、軽く朝食取るでござるか」
「やった~」
「待っていました」
喜んで来たのは、精霊達だった。
さっきまで、姿を消して飛んでいたはずなのに、いつの間にか隣に姿を現し、飛び跳ねている。
「少し街道から離れた所で食べるでござるか」
場所を移動して、回りから見えない所で辺りを警戒しながら食事を取ることにした。
火や煙、匂いなどあまり出ない物という事でサンドイッチみたいな物を作って持ってきていた。
硬いパンに野菜と玉子を挟んだだけのシンプルな物だった。
この世界のパンは、とても硬くなかなか噛みきれる物では無かったので、暇になったら柔らかいパンを作ってみようと考えていた。
精霊達は、もっと美味しいもの食べたいと言いながら、自分の分を食べてしまうと、姿を消して辺りを警戒してくれた。
「ここから、街道を進むのは危険でござるから、道に沿って森の中を進むでござるよ」
街道側と言うけれど、森の中なので木が繁り、岩場や沼地などあるので、とても進みづらい。
そんな中、ムラサメさんは、ほとんど街道を走っているのと変わらない早さで進んでいく。
僕は、少しずつ離されていた。
「どうした、翔くん、このくらい付いてこないと足手まといでござるよ」
負けずと頑張っているが、これ以上は早く出来なかった。
それを見て、ムラサメさんは少しスピードを落としてくれたので、何とか付いていくことができた。
突然、ムラサメさんが止まった。
「翔くん、止まるでござる。
気配を消すでござるよ」
僕は、訳もわからず静かにその場に止まっていた。
暫く経つと、ゴブリンの追加の部隊なのだろうか、約300匹が隊列を組んで進んでいた。
「ムラサメさん、ここで叩いた方が良くないですか」
「この数、倒すのに時間かかるし、下手に見つかっても後々面倒だし、討伐はセレナ達に任せて今は妨害装置の破壊だけ考えるでござる」
ゴブリン部隊に見つからないように、息をひそめる。
ゴブリンの他に、オークやグールなどいろいろな魔獣がいる。
それを統括しているのか、騎士が何人か、ちらほら確認できる。
この魔獣達は、一体何処から来ているのだろうか。
ゴブリン部隊が通り過ぎるのを待って、先に進み出した。





