始まりの地
「私も母から聞いた話で、千年も前の話だから当時、生きている者は少ないだろう。
私達の祖先が生まれたのが、この始まりの地と言われるこの場所だと言われる。
悪魔に騙された人間は、災いを呼ぶ魔方陣を書かされている事に気付かず、魔方陣を書いていた。
その事に気付いた神は、魔方陣を書く事を止めようと風を起こし、魔方陣を消そうとしたが一歩遅く、魔方陣に垂らした血によって、異世界への扉を開けてしまった。
そこから生まれて飛び出してきたのが666の種族。
今は種族同士が混じり合っているから、それ以上の種族に分かれているけど…。
そして、希望と呼べる者は、逆に扉から異世界へと旅立ったと言われている。
だから、ここには聖地として崇められ、そして逆に恐れられて誰も近づく事はしないわ」
その話を聞いて思わず自分の左手を見つめる。
そこにはまだ残っているくっきりとした痣。
それはこの異世界に飛ばされた要因。
左手に木片が刺さって血を流し、それが魔方陣に垂れ、魔方陣を発動させてしまった原因だった。
思わず身体中に震えが来る。
さっきの話と僕の体験と同じなのでは…。
僕は走り出していた。
もしかして…。
あの小山の向こうに何があるのか、確かめなくてはならなかった。
 





