始まりの地
雨は段々と小降りになってきた。
天竜族の里が移動しているからか…、でもどうやって動いているのだろうか?
ミランダに聞いてみると、
「それは風任せ、世界中を旅しているの」
「でも帝国艦隊に囲まれた時、やって来たのは?」
「ああ、それも偶然よ」
そうか、そうか偶然か…。
それで済まされるのか?
確かに帝国艦隊からは逃げ切ることが出来たから感謝はするけど、あの気流の嵐の中、何度、艦が落ちるかと思ったことか…。
助けに来てくれたのかと思えば、偶然だって!!
何を言っても後の祭りだけど、艦がボロボロになったのも気流の所為だし、今、修理中だし、何処にいるのかも分からない。
悪い方向に進んでいるような気がしてならない。
「天竜族の里はこれから何処へ行くのだろう」
「分からないわ、風任せだから」
「というより、既に世界中回っているんじゃないのか?」
「何言っているの!
里から出られなければ、外の様子を見る事しかできなかったわ。
それじゃ世界中を旅したとは言えないでしょう」
いやいや、世界中、回ったなら旅したと言えるのではと思ってしまうが、これ以上言うと気まずくなりそうだから言わなかった。





