101 森の中の二人
セレナさんが、左右にステップ踏みながら近づいてくる。
僕は、トンファーを構え、セレナさんの動きを見つめていた。
何処から来るか、どの方向から攻撃が来ても、受け止められるよう防御姿勢をとる。
僕の前まで来ると、消えた…。
また後ろか、と思い後ろを振り返るがいない。
不意に上からの威圧感がした。
ヤバイと思い、咄嗟に横へ転がるように移動すると、そこに上空から木刀が振り下ろされる。
僕は立ち上がりトンファーを構える。
「うん、大分強くなったね、翔くん」
「まだまだです、セレナさんに攻撃当たってないし」
「それは、レベルが上がればすぐ追い抜けるわ」
「そんな事はないでしょう」
「翔くんに抜かれるのに、そんなに時間はかからないわ。
そろそろ、私は行くわ。
軍義には遅れないようにね」
「わかりました」
セレナさんは、一人街の方へと戻っていく。
せっかく二人きりになったのに、何も言えなかった。
セレナさんと対等以上になれば、違ってくるのかな。
僕は、セレナさんを見送りながら、まだ相手にもならない僕が、本当にセレナさんに勝てる日が来るのだろうか、その時は、セレナさんはもっと高みへと進み、差は開くばかりではないだろうか、そう考えてしまう。
夕方までは時間があったので、昼寝しようと思っていたが、瞑想し回りの気配を感じられるよう努力していた





