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天竜の里
「な、な、何だこれ!?」
僕は必死になって吸着した脛当てを外そうとしたが、まるで自分の足と一体化したかのように外れなかった。
「やはり!睨んだ通り」
何が睨んだ通りだ。
これ、どうすれば良いんだ?
「この脛当てを外すにはどうしたら良いのですか?」
「分からん」
「えっ!」
「分からんと言ったのだ。
着けた事はあっても何も反応しなかったから普通に外れたんだが、反応した後の外し方など知るわけない」
「これ、どうするんですか?」
「娘を預けている間、貸しといてやるから、まあ、その間に古い文献などを調べておくから、心配するな」
いや、ずっとこのままなのか?
外れないと風呂に入る時洗えないし、足が臭く鳴るのではと心配してしまう。
「いや〜、これで翔殿もここに異空間を繋げる事ができると思うぞ。
寂しくなったらいつでも夢を帰って来るのだぞ」
それより早く脛当ての外し方を調べて欲しいと思った。





