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天竜族の里

「翔殿、娘のミランダを預ける代わりに、この脛当てをお貸ししよう」


そう言って見せてくれたのは、2つの筒状の物に翼の生えた竜が彫られていた品だった。


「お母様、もしかしてそれは…」


何だかミランダは狼狽えていた。

そんなに危険な物なのか?

まさか、それを付けると一生奴隷扱いとなり、言いなりになり続けるという恐い物なのか?


長は微笑みながら、そんな危ない物を僕に貸そうとしているのか?


「それは一体…?」


見た目では創造もつかない。

脛当てと言っていたが、ただの筒だし。

何処が脛当て何だろう?


「これは天竜族に伝わる大事な脛当てでな。

昔、一騎当千と謳われた初代の長が身に着けていた者で、1日千里を走っても疲れないとか、空を地面のように自在に駆け抜ける事が出来るらしい」


「らしい?」


「試してはないから分からないのだ」


「まず、長が試してみるべきなのでは?」


そんな曖昧な物、逆に怪しすぎる。

良いように見せかけて、実は騙して僕につけさせる罠の可能性だってある。


「試したさ」


「本当ですか?」


「疑っているのか?それならここで試してみせるわ」


長はそう言うと、手に持っていた脛当てを自分の足に装着した。

脛当ては1つが半分に割れ簡単に装着出来る構造になっているようだ。


「ほら、見たか?」


「見ましたけど、ちゃんと装着出来ているのでは?」


「違う!

この脛当ては、持ち主を選ぶのだ。

選ばれたら脛当ては自らを変形し、持ち主の足にフィットするようになる。

すると不思議な力が発揮出来るはずなのだ」


「じゃ、長は持ち主に選ばれなかったと言う事ですか?」


「悪いか」


「いやいや、そんな事を言っている訳では無いのですが、僕も選ばれない可能性だってありますよね」


「だから、試してみたいのだ。

ほれ、装着してみてくれ」


脛当てを着けないと帰れそうもないので、仕方なく長の持っている脛当てを受け取り足に着けてみる事にした。


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