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天竜族の里
「よろしく頼みます。
やっと夢見て止まなかった外の世界へと旅立てる。
お母様、今まで育てて頂きありがとうございます」
「ミランダ、別れを言うにはまだ早いわよ。
早く準備しないと出発出来ないわよ」
「そうでした。急いで準備して来ますわ。
私を置いて行かないで下さないね」
そう言うと慌てたようにミランダは、奥へと走って行った。
「仕様がない娘だ。
準備には、まだ暫くかかるだろうから、翔殿のもてなしと娘の送別会を行いたいと思うがどうだ?」
「でも、仲間達が船で待っているはずですし」
「どれどれ」
そう言うと、長は額に指を当てて暫く沈黙していた。
「あ〜あ、大丈夫だろう。
どうせ、今のままでは動く事も出来ないだろう」
確かに。
あちこち壊れかけていたし、飛んでいるのが不思議なくらいだ。
それこそ、ある程度、応急処置をしないとここを抜け出したとしても、次に行くどころか地面にちゃんと着陸出来るかも怪しいところだ。
僕が戻るまでに、応急処置を済ませて欲しい所だ。
という事で、何故か宴会が始まった。





