100 秘密の訓練
何処かに、昼寝するのにいい場所ないかと探していたら、セレナさんが一人で歩いているのを見掛けた。
ちょっと気になったので、こっそりつけてみることにした。
街の外、駐留部隊を過ぎて、森の中に入っていく。
何処へ向かうのだろうか、森の奥に広い原っぱがありそこで立ち止まり剣を構える。
剣を振り、構え、突き、まるで相手がいるような錯覚に陥る。
一人で剣の練習やっていたんだ
邪魔しないうちに、帰ろうとした時、
「翔くんも、一緒にやらない?」
突然、声がかかったのでビックリした。
「いつから、ばれてました」
「森に入る前から、気付いていたわよ。
気配消すなら、ずっと消しとかないといきなり気配消えたら、誰でも警戒するわよ」
「なるほど納得です。何処へ行くのか気になったので…」
「丁度良かったわ、相手してくれると助かるのだけど」
「はい、自分でよければ」
セレナは、笑みを浮かべながら剣を構える。
僕は、トンファーを取りだし構える。
「セレナさん、行きます」
「かかって来なさい」
僕はセレナさんに向かって走り出す。
これで何回目の対決になるだろうか、レベル差はあるけれど、少しはセレナさんに近づけているだろうか。
右側から攻める、トンファーを回転させながら打撃に入る。
そこは、剣で簡単に弾かれる。
すかさず左側から攻撃、セレナさんは体を反らしてかわす、反動でセレナさんから蹴りが飛ぶ。
僕は交わしたつもりだったのだが、腹に直撃を受けて、30メートル程飛ばされた。
痛みで体が麻痺したような感覚だった。
「大丈夫?」
「はい、まだまだ今からです」
僕は痛みに耐えながらやせがまんしていた。
攻撃体勢をとり、相手の出方をまつ、