第1話 目覚め
文章があまり得意ではないため、誤字脱字が
多いかも知れませんが、すいません。
書きたいように、書いていきますので、
何か、おかしいところがあれば、ご指摘
ください。たくさんの人に読んでもらえるよう
がんばります
「.......」
「.....ん、ここは何処だ」
いつの間に気を失っていたのだろうか?それとも眠っていたのだろうか?
ふと気が付き目を覚ました。
ここは何処なのか?
どうしてここにいるのか?
記憶を呼び戻そうとしたが、全く記憶がなかった。
気がつき、目を開けるとそこは真っ暗な暗闇。
手探りで明かりになる物が何かないかと探すが手に触れる物は何も無かった。
実際、周りが暗過ぎて目を開けているのかどうかさえも分からない。寝ぼけている所為なのか、何だか身体の感覚がほとんどない。
手足に縄をかけられ、何処かに閉じ込められているのかとも思ったが、手足は動くような気がする。
今、僕はどのような状態なのか、どうしてこんな場所にいるのか、いくら考えても答えは見つからなかった。
とりあえず誰かに助けを求めなければ…
そう思い叫んで助けを求めても返って来る言葉はなく、僕の声は、まるで暗闇に掻き消されているように思えた。
本当に声が出ているのかさえ怪しい。
誰も周り居ないのか?
ただ一人暗闇の中に取り残され、暗闇の所為で周りに何があるのか分からず、そして暗闇から何か得体の知れないものが襲って来るような恐怖感から、勝手に身体が震え、とても恐かった。
恐い、恐い、恐い…。
そうだ、これは夢なんだ。
夢なら早く覚めてくれ!だが一向にその気配はない。
やはり夢では無いのだろうか?
孤独と言うものがこんなに恐いとは思わなかった。
ただただ恐怖の虜。誰か居ないのか叫ぼうかと思って口に出そうとしているが、声が出ているか分からない。
誰か助けて。ここから連れ出して。
只々、そう願うばかりだった。
それに先ほどから体の感覚がおかしい。
恐怖から麻痺しているのかと思ったがそうではない。
手足の感覚がない。
本当に手足が本当に付いているのか?
呼吸をしているのか?そもそも生きているのか?
何処を向いているんだ?
僕は存在しているのか?
いろいろな疑問が沸き上がる。
まるで何も存在しない無重力の世界を存在の無い自分が、ただ浮かんで漂っているようだった。
どれくらいたっただろうか?
生きる事を諦め、無駄な事をせず、ただ死を待っている時間だけが過ぎていた。
暫くすると遠くの方から、僕を呼んでいるような声が聞こえたような気がした。
気のせいかと思ったが気の所為ではなかった。
その声は段々と近いてきているように感じたが勘違いだろうか?
いや、僕の勘違いではなかった。
段々と近づいてくるのが分かる。
近づくにつれ、声は大きくはっきりと聞こえてくるようになってくる。
僕はここだ!ここにいるよ!
誰でもいい。誰か助けてくれ!叫びたいが声が出ない。
聞こえてくる声は何かを話している声にも聞こえるが、只の音にも聞こえる。
よく分からい声だったが、その聞いたこともないような声は心地よいメロディのハーモニーを奏でていた。耳から直接聞こえてくるというよりは、頭の中に響いてくるという方が正しいかも知れない。
心地よい音色に孤独という恐怖を多少は忘れさせ癒されながら漂っていたら、次は遠くの方で眩しく光った。
暗闇の中でいきなり光ったので、その眩しさの為、目眩が起きそうになる。
最初、小さな豆粒くらいしかなかった光は、光の線となってあっという間に僕の横を通り過ぎていく。
そして光の点は次々に生まれ、光の線となってどんどん僕の横を通り過ぎていく。
光の線は数を増し、僕を取り囲み光の渦へと引きずり込んでいく。
眩しい、とてもじゃないけど目を開けてられない。
そしてあたり一面暗闇から光に変わった瞬間、僕はまた意識がなくなった。
「.....おい、起きなさい」
「まだ、眠いからあと10分、いや5分でいいから、もうちょと寝かして」
「何言っている、こんな戦場のど真ん中で寝ていたら、死んでしまうわよ」
「え?」
眠い目を擦りながら、だんだん身体の感覚が戻ってくる。
薄っすらと目を開けると
『眩しい。』
周りの明るさに目を回しそうになる。
それに何故か体中が痛い、筋肉痛か?
血腥い匂い、そして火薬の匂いが鼻をつく。
鉄と鉄がぶつかる音、爆発音、甲冑のすれる音、そしてとても騒がしい音が耳に入ってくる。
ここは何処なんだ。
少しずつ回りの眩しさになれ、目を開けると、
「馬!?」
目の前に、馬がいた。
驚き慌てて起きた為、危うく馬の顔にぶつかりそうになった。
「おい、大丈夫か?」
僕が驚いた馬に乗った人物が声をかけてくる。
声の主の方を見ると、中世時代の甲冑を思わせる格好で、兜まで被っているため顔までわからないが、声からすると女性と思われる。
甲冑は、元々は白銀色みたいだが傷だらけで、返り血だろうか至る所が薄汚れていた。
「ポチに感謝してね、ポチが見つけてくれなければ、今頃あなたは死んでいたわ」
ポチ、馬のこと?、普通ポチって犬じゃないの、と突っ込みたくなる衝動を押さえながら、ポチを見るときれいな白い毛並みに頭に角がある、まさか、
「ユニコーン!?」
「ああ、ポチはユニコーンだが、珍しくないでしょう」
「え、そうなんですか?、僕、初めて見ました」
頭の中で色んな事が過っていく。
ユニコーンなんて空想の動物じゃ無かったのか?
誰かが僕を騙して馬に角を付けているとか?
しかし角の根元を見ても無理やり付けているようには見えないし、周りの雰囲気もかなりヤバイ感じだ。
ここはいったい何処なんだろう。
そこへ、一人の男がやって来る。
「団長、そろそろ撤退しないとヤバそうだ」
「そうね、そろそろ潮時かしら」
「あなたはどうする。早く逃げないとここにいたら危ないわよ。
行く所が無いなら、私達に付いて来る?」
「僕は…」
周りを確認するとそこは焼け野原、ほとんどの草木は燃えてしまい灰となっていた。
所々、まだ火が燻り続け煙が立ち昇っていた。
遠くの方から、爆発音や鉄と鉄の当たる音、罵声が聞こえてくる。
幸いにも争っている場所は、今いる場所から離れているようだが、先ほど戦場と言っていたので、今この場所で争いの真っ只中にいるという事だろうか。
逃げないと行けないという事は、敵が近付いて来ているという事だろう。
変な争いには、巻き込まれたくないが、この人を信頼して良いかという疑問もある。
もしかしたらこの人達が悪者で、相手側に正義があるかも知れない。
でも、このまま残っていたら、この人達の仲間だと思われ、捕まって拷問されるか、最悪殺されるかも知れない。
そもそも相手が人なのか?
ユニコーンがいるくらいだから、相手がモンスターの可能性もある。
そうなると残っていたら、間違いなく殺されるだろう。
この団長に聞いてみたいが、本当の事をいうかどうかも怪しい。
聞きたい事は沢山あるが、知らない人とコミュニケーションを取る事はあまり出来ないし、それに今は時間もない。
寝起きの頭をフル回転して考えるが、今どういった状況なのか、全く理解出来ていなかった。
分かったのは今戦場に居るということだけだ。
知らない人に付いて行って大丈夫だろうか?
変な所に連れて行かれたり、強制労働や虐待を受けないだろうか?
不安要素は沢山あるが、今はここに居ては死ぬ可能性が一番大きいという事だ。兎に角、早くこの場から逃げないとそれが今一番の心情だった。
「一緒に付いて行っても良いですか?」
「そうした方が良いわね。
ここに居ても死ぬだけだし、別に悪いようにはしないから安心しなさい。
さあ、立って、撤退するから私達に付いてきなさい。
みんな~、撤退するよ」
重い身体を無理に動かし震えながら、ここが何処か何故ここに居るのかも分からないまま戦場を離れる事になった。
これからどうなるのだろう、不安だけが僕の頭を過ぎっていた。