凱斗の偽彼女
香澄と夜遅くまで一緒にいたことに対して激怒した楓花と舞冬は深夜になってもなお、凱斗を解放せず、結局凱斗はそのまま疲れた反動で説教されている途中に寝てしまい、そこから凱斗の記憶は飛んでいた。
静謐とした闇夜の空を煌々とした光明が凱斗の家に差し、凱斗をあくびをしながら上体を起こす。
自分の部屋までたどり着く事無く寝てしまった凱斗が今いるのは、リビングだったのだ、気づかぬうちに凱斗に毛布が掛かっていた為、楓花か舞冬かかけてくれたのだろう。
だが、問題がひとつ。それは凱斗の左右にいる二人の少女についてだ。
いつも寝るときは薄着の二人。それは今も薄着で角度によってはチラというよりモロという感じでかなり見方によってはまずい。
舞冬のたわわに実った二人の果実はもう破壊兵器でしかない、その破壊兵器は胸だけではなく服からはだけている色々な所が思春期の男子にとっては兵器。
そんな魅力が詰まった舞冬は愛らしい顔で凱斗の右を占領していた。
目に毒である右とは逆方向の左を向き、楓花の方を見てみるが、やはり爆弾。
まだ慎ましやかなその胸に威力はあまり無いものの、それでも咲きかけの蕾のような胸は充分に魅力を感じる。
そしてこちらも右の舞冬同様、服がはだけていて色々とまずい。
しかも服のせいで余計に想像させて凱斗の頭はパニック状態。
そんな状態の凱斗をいつからか見ていた舞冬が凱斗を地面に押し倒し、舞冬がその上に覆い被さった。
「っ・・・!」
凱斗が押し倒されたのと同時に凱斗は口を押さえられ、何も喋れなくなる。
横を見てみると楓花はまだすやすやと眠っていて、今の状況は見ていないようだ。
舞冬はそんな楓花を見て、ふぅ、と息を吐き小声で凱斗の耳に囁いた。
「私の体に興奮、したの?」
妖艶に呟いた舞冬の声にゾワッとした感覚を覚え、凱斗は舞冬から距離をとる。
だが、舞冬は再び凱斗の方へ接近していき、その暴力とも言える体を凱斗に押し付ける。
「興奮してるでしょ~?ん~?」
「じっ、実の姉に興奮はしねぇーよ・・・!」
すると舞冬はちょっと服をはだけさせたり、体勢を少し変えてみたりと魅力的な体を充分に活かす。
どの体制でも必ず妖艶なのは言うまでも無い。
「実の姉では無いんだけどね」
「え・・・?」
「あの女と二人きりだったの、以外と嫉妬してるんだよ?」
少し頬を膨らませた舞冬はいつものお姉さんオーラではなく少し子供っぽさがありギャップを感じさせ、可愛らしい。
舞冬は凱斗により近づき、凱斗の頬にキスをした。
元々香っていた女の子特有の優しい香りがよりいっそう鼻腔をつつく。
柔らかい感触が凱斗の頬や色んな所に当たり、赤面する。
そして、凱斗にとって不幸な事が訪れた。
「凱斗、何やってるの?」
壁に追いやられ、舞冬とほぼ密着状態の凱斗達を見て、鬼の形相でキスしている二人をじっと見つめている。
舞冬はそれに目もくれず凱斗に抱きつくような体勢の所に楓花も近づいていく。
「ずるい、香澄とイチャイチャして今は舞冬とイチャイチャするなんて、許さない」
そう言い楓花も凱斗に抱きつき、凱斗の胸に頬擦りする。
そのしぐさは小動物のように愛らしく、癒しになるような感覚だったがーーー。
「凱斗から離れて!」
凱斗の片方を占拠している舞冬が自分のいる方向に引っ張り、頬擦りをやめさせようとするが楓花はずっと凱斗に抱きつき、頬擦りする。
朝からギャーギャーとした騒がしい凱斗の家にインターホンが鳴る。
目星はついているが、凱斗は自分の左右にいる二人を振りほどき、家の玄関を開けた。
「おはよ、凱斗」
朝から幼馴染みが家に来て、そのまま一緒に学校に行く関係、もう何年になるだろうか、葵は靴を脱ぎリビングへと向かう。
凱斗も特に止める理由も無いので部屋に通す。
「ちょっ、ちょっと待て!葵ーー」
止める時にはもう遅い、葵はすでにリビングの扉を開けていて、中の光景が葵の目には焼き付いていた。
葵の前に広がる光景は、薄着の少女二人が寝転がっている姿だった。
しかも凱斗のいつも使っている枕の近くに凱斗の携帯がありその少し横に楓花と舞冬の携帯もある、しかも凱斗の枕の横には明らかに女の子物の枕が凱斗の枕の左右に置かれている。
葵は凱斗の方をもう一度振り向き勃然とした表情で笑っていない笑顔で冷たく呟いた。
「ねぇ凱斗、これはどいうこと?」
「いや~これには訳が・・・」
「凱斗のバカァ!」
葵の罵倒が部屋に響き、その後凱斗は葵に敷衍するが葵の怒りは治まらず、香澄との事を楓花から聞いた葵の怒りは次第に大きくなっていき、赫怒した。
「キッ、キスって唇に、したの?」
ムスッとした表情で葵は凱斗に問いかけ、凱斗は慌ててそれを否定する。
「ち、違う!頬にされただけだから!」
「ほ、ほんと?」
さっきまでのムスッとした表情は次第に崩れ落ちていき、か細い声で良かった、と小さく呟いた。
だが、舞冬はホッとした表情の葵に火に油を注ぐような事をした。
さっき舞冬が凱斗にキスしたことを自慢話をするように言ったのだ、舞冬も香澄には負けじと凱斗の頬にキスをした事を言い、余計ややこしくなったのは言うまでも無い。
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結局葵の怒りは治まる事は無く、登校時間が訪れた。
やはり葵の機嫌は悪く、凱斗に冷たい視線が送られていく。
そんな雰囲気の中、凱斗と楓花、葵が扉を開けるとインターホンを押す直前の紅葉がいた。
凱斗の婚約者を言い張るこの少女、紅葉は凱斗と目が合うと恍惚とした表情で凱斗に近づき、ニッコリとした表情で挨拶した。
「おはよ、旦那様!」
さっきまでのギスギスとした部屋での気分を書き消すような美声が凱斗の耳を癒していく。
凱斗が癒されている後ろでは楓花と葵が凱斗の方をじっと見つめていたが、それはあえて無視し、四人で学校へと向かっていった。
「旦那様、キスしたの?」
「・・・・」
登校中に再びこの話題が飛び出し、香澄との出来事を知らない紅葉が追求し始める。
凱斗の事をじっと見つめている紅葉と今もツンツンとしている葵。
そして凱斗の左腕をさっきからつねっている。
「旦那様答えて、キスしたの?」
紅葉は更に凱斗に近づき、目で訴えてくる。紅葉と凱斗が近づくにつれ楓花の腕を掴む力が強くなっていく。
凱斗は無心で空を見上げ周りを無視するが、紅葉は諦めず追求していく。
と、後ろの方からこの出来事の元凶である少女の声がする。
「凱斗君、おはよ」
無心だった凱斗はバッと後ろを振り向き、香澄の方に向く。
楓花、葵、紅葉も香澄の方を向き、炯眼な目付きで香澄の方を見る。
「私が話しかけても無視なのに香澄なら振り向くって・・・やっぱり二人は・・・」
地団駄を踏むように涙目で凱斗の背中をポカポカと殴る。
葵も冷徹な視線を凱斗に送り、背筋が凍るような感覚を覚える。
楓花も当然深海のような冷たい睥睨な視線が凱斗を襲う。
「昨日は楽しかったね、凱斗君」
ニコニコとした笑顔で凱斗に抱きつき、瞬間三人の視線が凱斗に突き刺さり、楓花はブツブツと何かを呟きだした。
「ちょっ、何抱きついてんのよ!離れて!」
「旦那様から離れて!」
葵と紅葉は香澄を引き離そうとするが香澄は凱斗から離れることは無く、三人の怒りは治まるどころか募るばかりだった。
ミカエルです、少し遅れましたね。
先日、生まれて初めてユニクロに行きました、足にフィットするタイプのズボンを試着したのですが、不自由性ヤバイですね。
レーザーレーサー始めて尊敬しました。




