楓花VS葵
「やっぱ、事情を説明すれば良かったかなー」
凱斗は集合場所で後悔していた。
「「凱斗ー」」
左右両方から声を掛けられた。
「おぉ、楓花、葵、遅かったな」
「「ねぇ、凱斗」」
二人からドス黒いオーラが出ている。
「な、なんでしょうか?」
思わず、敬語になってしまった。
「「なんで、この女がここにいるの!」」
お互いに指を指し、睨み会っている。
「いや、昨日な、楓花からデートの誘いされた時、葵からメールが来ただろ?そのメールの内容がデートだったんだよ」
楓花と葵の目が怖い・・・
「なるほど」
楓花と葵は納得してくれたようだった。
「だから、これは俺の責任だ、だから順番に出掛けよう」
これは我ながら良い案と思った瞬間、彼女達の口から出たのは、
「「嫌!」」
「え?なんで?」
凱斗には意味がわからなかった。
「楓花、この際はっきりしましょう!どっちが凱斗に相応しい、女か」
「わかった、受けてたつ」
凱斗は彼女達の言葉を一切理解出来なかった。
「ということで、修羅場デート開始よ」
「で、どこから行く?」
「私は生活用品を買いたい、下着など」
「し、下着!?それは、二人で頼む」
「ダメ、下着は凱斗に選んでもらう」
「な、なんで俺!?葵に選んで貰えよ」
凱斗は全力否定するが、
「私は、凱斗が良い」
さすがに楓花の上目遣いには勝てず、
「わ、わかったよ」
「じゃあ、私も選んで貰おうかな」
今度は葵から爆弾発言。
「な、なんでぇ!?」
「だって、楓花だけはずるい」
ここからは本当に修羅場だった。
楓花の下着を選んでる時に葵は般若のような形相でこちらを睨んできたし、葵の下着を選んでる時は、この世の物とは思えない、ドス黒いオーラを放っていて、修羅場というより、地獄だった。
「あ、俺本屋に行っても良いか?」
「ん?良いわよ」
「何を見に行くの?」
「決まってんだろ!ラノベだよ!」
楓花の問いに即答する凱斗。
本屋へ入り、ラノベコーナーに直行する凱斗。
「おぉー最新巻出てる!」
「今回も表紙可愛いぃぃぃぃぃ」
「俺、これ買ってくる」
横を見ると、顔は笑ってるんだけど、目が死んでる、楓花と葵がいた。
「え、どうかしたのか?」
凱斗の声は届いてない。
だが微かに、二人は口が動いていた。
耳を澄ませると、
「「浮気浮気浮気浮気浮気浮気浮気浮気浮気浮気浮気浮気浮気浮気浮気浮気浮気浮気浮気浮気浮気浮気浮気」」
ラノベを離すと元に戻ってくれた。
結局、凱斗はお目当てのラノベを買えなかった。
どーも、ミカエルです。
今日は日本橋にある、オタクの聖地へ行ってきました。3時間で人混みにやられ、帰りました。
そして4時間程寝込んでました。書いてる時も頭痛が・・・
それでは、また明日。
今日は早めに寝よう。