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高校入ったら日常が非日常に変わった  作者: 天使長ミカエル
32/50

二人きりで映画館行くと何かしらのイベントがあるⅢ

映画が終わり、グッズを見ていると凱斗の肩をトントンと叩かれ、後ろを振り向く怒気に満ちた舞冬と紅葉と楓花が立っていた。

「ねぇ、凱斗、何してんの?デートしてるの?私以外の女と」

凱斗の肩を掴んでいる舞冬の握力は手加減など全くしていなかった。


「ちょっ、舞冬姉、肩痛い・・・」

「そんなの今は関係無い、私の質問に答えて」

今の舞冬の目には一切の光が灯っていなかった。


「旦那様の浮気者!旦那様の妻は私だけ!」

人の多い休日の映画館で舞冬や紅葉が叫ぶものだから、周りの人達から注目されてしまう。

「ちょっ、ここでは喋りにくいし、場所を変えよ?な?」

ここで修羅場になる前に凱斗は家へ向かった。

まぁ、すでに修羅場なんだけど。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「旦那様、いつか埋め合わせしてもらうから!」

自分の家の近くまで帰ってきた凱斗の腕をギュッと掴み、紅葉は頬を膨らませながら言った。 


「埋め合わせって・・・」

「妻である私に秘密で別の女の子とデートしてたんだもの、これは有罪だから!ギルティだから!」

「私もそう思う、私達に何も言わずにデートに行くなんて信じられない」

凱斗の後ろにいた楓花が凱斗の腕をつねりながら言ってきた。

案の定楓花もずっと不機嫌である。

さっきまで凱斗の浮気者凱斗の浮気者と小さな声で連呼していた。


「楓花、さりげなくつねらないでくれ、凄く痛い」

「浮気した罰」

俺、そんなに悪いことしたのかよ、と呟いた。


そんなこんなで凱斗の家に到着、最初は香澄が自分の家に凱斗を招こうとしていたのだが、それはダメ!と舞冬達から即刻却下され、凱斗の家に決定したのだ。


「お邪魔しまーす」

「適当にくつろいでいてくれ、飲み物持ってくるよ」

舞冬と楓花は着替える為、自分の部屋に戻っている。

「早乙女さん」

「何?」

「凱斗君とはどういう関係なんですか?いつも凱斗君のこと旦那様と呼んでいますが」

香澄にはこの事が一番気になっていたのだ。

もしも、結婚を約束していて、将来紅葉と凱斗が結婚する、なんてことを考えると胸が張り裂けそうになる。


「小さい頃に結婚を約束したの、まぁ旦那様はあんまり覚えてないと思うけど」

この言葉を聞き、香澄はホッと安堵の息をついた。

「それでも、私は旦那様が、凱斗のことが今も大好きだから」


と、香澄が後ろを振り向くと、顔が真っ赤になっている凱斗が突っ立っていた。

「あっ・・・」

紅葉も後ろを向き、紅葉も赤面する。

「その、今の言葉は全部、ホント、だよ?」

しゅーと湯気をあげながら言う紅葉は物凄く可愛く見えた凱斗であった。


「お待たせー」

上から舞冬と楓花が降りてくると、頭から湯気があがってる紅葉と顔が真っ赤の凱斗。

「何があったの⁉」 

「あ、ははは」


「で、凱斗、朝私を騙した罰は何がいい?私が凱斗のベッドで一緒に寝るか凱斗が夜、私に夜這いをかける、どっちがいい?」

「他の罰はないのかな?」

この2つはさすがに凱斗の理性と貞操が危ない。

「じゃあ、二人きりで旅行とかどう?」

「と言うか、二人で映画1本見ただけで何でそんなに罪重いんだよ」 

香澄もウンウンと頷いている。


「「「凱斗は私の物だから」」」

練習したかのように3人息ピッタリで言ってきた。

「俺は誰かの所有物になった覚えは無いんだが」


「凱斗が他の女とイチャイチャしていると凄くイライラするの、しかも姉である私に秘密でデートに行くんだもん、怒るのも当たり前よ」

確かに舞冬や楓花、紅葉の立場が自分だったらと思うと、嫌な気分になるのかもしれない。


「じゃあ、今度からはちゃんと全員に言ったらデートに行っても良いんですね?」

凱斗の腕をギュッと掴み、凱斗の肩に頭をのせながら言った。

「そのかわり、デートが終わったら、そのあとは私が罰として凱斗とイチャイチャするけどね」

香澄はムムムと唸り、凱斗は俺の気持ちを考えろとつっこんだ。


「とりあえず今日は私達の言うことに従うこと、良いわね?」

舞冬のごり押しにより、了承せざるを得ない凱斗はしぶしぶ了承した。


「私は今日の夜、凱斗と一緒に寝たい!」

舞冬は一緒に寝たいと提案してきた。

「舞冬姉と寝るのは色々と怖いんだが・・・」

いくら姉でもこの上無い美貌を持っているのだ、理性が吹っ飛びかねない。

しかもあの舞冬姉だ、何もしてこない訳がない。


「変なことするなよ」

「しなかったら勿体ないでしょ?」

完全にする気だ。

「話が通じねぇ・・・」  


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