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高校入ったら日常が非日常に変わった  作者: 天使長ミカエル
30/50

二人きりで映画館行くと何かしらのイベントがある

凱斗と楓花が家に帰ってくると、リビングのドアが開き、美月が凱斗に抱きつく。

「凱斗、大丈夫だった?あの女に何かされてない?まぁ、何かされてたら怒るけど」

「だ、大丈夫だよ、舞冬姉」

楓花の視線が怖い為、そっと凱斗に密着している舞冬を引き剥がす。

「佐倉さんと凱斗、今日日直だったから二人で行動してること多かった」

楓花が告白すると舞冬の顔が鬼気迫る表情になり、凱斗に問い詰める。

「二人で何を話したの?まさか日直の仕事とかで二人きりになってたりしないわよね⁉」

二人きりにもなったし、しかもそこで告白もされた、そんなことを言うと舞冬が何をするかわからない為、あえて口をつぐんだ。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


舞冬に嘘がばれないよう、何とかごまかし、自室に入ると、携帯が鳴った。

「ん?佐倉?」

メールの内容は教室のど真ん中で誘われたデートの件だった。 

「ほんとにデートするつもりなのか」

そしてメールの最後には、「大好き」と書かれていた。

凱斗の顔は林檎のように赤くなり、バカと呟いた。

一方、香澄の方も少し赤面していた。 

(大好きはちょっと恥ずかしいな・・・)

今日は凱斗にアタックすることが多かった為、それを思い出すと、恥ずかしくて仕方ない。

ベッドの枕に顔を埋める。

「負けたくないな」

小さな声で、言った。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


そして迎えたデート当日。

香澄に言われた通り、舞冬達には用事があるからと言って、家を出た。

家から離れた所で香澄に連絡、そのまま二人は合流せずに電車に乗り、家から3駅程離れた所にある映画館で合流した。

「おまたせ」

「おう、佐倉っ・・・」

佐倉を見た瞬間も言葉が止まった。

それは何故か、佐倉の私服姿が本当に可愛かったから。

淡いピンクのタンクトップにデニムのショートパンツ、その上にレースの袖無しワンピースを合わせている。

光の加減で、タンクトップが透けてドキッとする。

「その、似合ってる?」 

「あ、あぁ、似合ってる、物凄く可愛いな・・・うん、凄く可愛い」

思わず、本音がポロッと出てしまう。

「そ、そんなに似合ってる?良かった」

思い人に褒められるとこんなにも嬉しいのかという感情を胸の中で感じ、言葉を続ける。

「今日、私の見たい映画を見るんだけど、良いかな?」

「あぁ、別に構わないぞ」

「じゃあ、行こっか」

香澄が凱斗の手を握る。

「えっと・・・」

「・・・嫌?」

コーディネートにより、更に可愛くなった香澄に加え、上目遣いという最強のコラボにより、嫌なんて言える状態じゃなかった。

「嫌じゃない、うん嫌じゃない」

と、香澄の表情が笑顔になった。

「今日だけは私達、恋人同士ね」

普通の繋ぎ方から一変、恋人繋ぎに変わった。

「きょ、今日はだけだぞ」

「ほんとは明日も明後日も恋人でいたいんだけどね」

「っ!」

唐突に来る大好きアピールに赤面する凱斗。

「凱斗君の反応、可愛い~」

「か、からかうなよっ」

映画館の前で天使のような美少女とイチャラブトークを繰り広げている凱斗は剣で刺されているような視線の中、映画館に入っていった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「で、何が見たいんだ?」

「えっとねー、あった!」

「俺には彼女がいるのに美女に囲まれるのはなぜだろうか」

「長いタイトルだな」

タイトルを見るからに明らかに修羅場物だった。

「この映画かなり人気らしいよ」

「だとしたら楽しみだな」

休日の為、チケットを買うのに少し苦戦したが何とか券売機の前までたどり着いた。

「まあまあ空いてるけど、どこにする?」

「一番後ろとか空いてる?」

「え?空いてるけど、何で?」 

割りと中央も空いてるのに、一番後ろを確認した。 

「後ろだったら誰にも見られないから、何でもできるよ?」

凱斗の耳元に甘い声でぼそっと呟く。

「横の人は映画に夢中だし、後ろには人がいないからキスだって、何でもできるよ?」

しかも、映画館だから暗がり・・・その先を連想してしまい、凱斗は赤面する。

「な、何言ってんだよ」

「じゃあ、後ろの席で決定ね」

しかも、一番後ろの隅。まったく死角がない所を選んでいた。


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