幼馴染みの家でお見舞いをⅡ
「え?お母さん、どういうこと!?」
「今から私、ちょっと用事があってね、本当は行かないでおこうと思ったんだけど、凱斗君がいるなら大丈夫かなって」
「お母さんがいなくなったら、この家には私と凱斗だけ・・・」
顔を赤面にして言う葵。
「凱斗君、頼めるかしら?」
「葵がいいなら、別に良いですけど・・・」
「葵、どうする?」
「い、良いよ・・・」
「じゃあ、私はちょっと出掛けるわ、凱斗君、お願いね」
そして、幼馴染みと二人きりの夜が始まった。
「本当に俺なんかで良かったのか?」
いくら幼馴染みとはいえ、女子の家に男一人というのは、どうかと思うのだか・・・
「凱斗だったら・・・構わない」
(なんか調子狂うな・・・)
「あ、俺おかゆの材料とか持ってきたけど、食うか?」
葵の家に夢子さんがいなかった時のことを想定して、一応おかゆの材料を持ってきていた。
「ありがと、貰おうかな」
「ちょっと待っててくれ」
そう言い、凱斗はおかゆを作りに、一階に降りた。
「さて、作るか」
(凱斗二人きりって久しぶりね、高校入ったらいっぱいアタックしようと思ってたのに、全然二人きりになれる機会なかったし。だから今日は頑張ろう!)
自分にファイトと言い聞かせる葵であった。
「葵、おかゆ出来たぞ」
トレイに乗せているおかゆを葵の部屋に運ぶ。
「ありがとう、凱斗」
「具合は悪くないか?」
「大丈夫」
ベッドから出て、机に置いているおかゆに手をつける。
「いただきます」
「うまいか?」
「うん、美味しいよ」
「そうだ、楓花と舞冬姉に連絡しておかないとな」
かばんから携帯を取りだし、電源を入れると・・・
「うおっ、なんだこれは・・・」
まだ1、2時間しかたってないのに、楓花と舞冬の連絡をあわせると100件を越えている。
「取り敢えず早く返信しないとヤバイな・・・」
楓花と舞冬にすぐさま返信する。
すると、凱斗の携帯が鳴った。電話にでると、
「凱斗、早く帰ってきて」
一言目がこれだった。
「楓花、どうしたんだよ」
「舞冬が暴れている」
「舞冬姉が暴走・・・」
凱斗はすぐさま脳内で舞冬の暴れる姿を想像し、体から冷たい汗が噴き出した。
「そ、それは相当ヤバイな・・・」
「今、葵の家に誰かいる?」
「いや、葵と俺だけだけど」
すると、電話の向こうからガタッと言う音が聞こえ、いつもより冷たい声で唸った。
「じゃあ、二人きり?」
「え、あぁ、まぁそうだな」
「私も行く」
「楓花は家にいてくれ、風邪を移すと悪いし」
「そんなの関係ない、私も・・・」
「頼む、家にいてくれ」
「・・・わかった、でもお願いを一つ聞いて」
「ん?何だ?」
「本気にならないで、葵と付き合うとかなったら絶対に許さないから」
どーもミカエルです。更新がいつも遅れてしまい、本当に申し訳ないです。
それと、そろそろ4作目を出せそうです。
あ、もちろんラブコメですよ?
4作目を出す時は言うので、その時はお願いします。




