婚約者 早乙女紅葉Ⅲ
今日は少し忙しいのでいつもより短いです。
本当にすいません。
「舞冬姉、いるか?」
楓花と葵と一緒に学校から帰り、家の扉を開け舞冬を呼ぶ。
「どうしたの?凱斗?」
リビングの扉が開き、エプロン姿の舞冬が来た。
「早乙女紅葉って人知ってる?」
「早乙女紅葉?あぁ、昔凱斗によく近づいてた雌犬じゃない」
「え?昔?」
凱斗は小さい頃の記憶などほとんど覚えていない、だから昔会っていても、忘れていることが多い。
「葵より前の幼馴染みってやつね」
「私より、前・・・」
「前ってことは、5才とか6才の時か・・・」
「じゃあ、旦那様ってどういうことだ?」
旦那様という言葉を聞いた瞬間、舞冬の顔が般若のような形相になり、凱斗に問い詰める。
「旦那様って何?凱斗はその女好きなの?どういう関係なの!?」
「お、落ち着けって舞冬姉」
「それで凱斗、思い出した?」
「ちょっとだけな、楓花はなんかわかるか?」
楓花とは小さい頃から遊んでいたので、その時に紅葉のことを喋ってたりしているはずだ。
「確かに喋っていたけど、なんで紅葉が凱斗のことを旦那様と呼んでいるかは分からない」
「そうか・・・」
幼馴染みということ以外はわからなかった。
学校へ登校して廊下を歩いてる途中、紅葉と出会った。
「おはよう、旦那様」
「あぁ、おはよう」
「それで、思い出した?」
「紅葉、お前は俺の幼馴染み、だよな?」
紅葉の顔は、やっとかという顔付きでこういった。
「じゃあ、私が旦那様って呼んでる理由、わかった?」
「ごめん、それはわからなかった・・・」
あのあとも家にあったアルバムを見たり、いろいろ漁ったのだが、なんの手掛かりも見つからなかった。
「そう、仕方ないわね」
「すまん」
「じゃあ、放課後屋上に来てくれる?もちろん一人で来てね?」
紅葉は凱斗の唇に人指し指をあて、後ろにいる楓花と葵に視線を向けた。
「旦那様は、私の物よ」
挑発するような言葉を残し、紅葉は教室へ向かった。




