婚約者 早乙女紅葉
いつも、短くてごめんなさい。
「凱斗、起きて」
眠っている、凱斗を起こす楓花。
「凱斗、凱斗、遅刻する」
「ん・・・」
凱斗が目を開けると、凱斗の顔の上には楓花の顔があった。
「・・・楓花?」
「凱斗、早く起きて、遅刻する」
遅刻という言葉を聞き、焦る凱斗。
「え?やばいじゃん!」
「うん、やばい」
制服に急いで着替え、リビングへ向かう。
「あれ?舞冬姉は?」
「舞冬は買い物に行った」
「そうか」
「今日のお弁当は舞冬が作った、明日は私」
キッチンに置いてある弁当をかばんに入れ、楓花と家を出る。
と、家を出ると葵が横にいた。
「遅かったわね」
「待っててくれたのか?」
「う、うん」
少し照れ気味に答える葵。
「先に行けば良かったのに」
頬を膨らませ言う。
「楓花、あなたの好きにはさせない、あと凱斗は渡さない」
「早く行こうぜ、遅刻しちまう」
「な、何とか間に合った・・・」
「楓花体力無さすぎ」
葵の言う通り何度か立ち止まったりしなければ、もうちょっと早かったかもしれない。
「あなた、名前は?」
前の方から、一人の女子生徒が凱斗達の方へ向かってきた。
「え?俺?」
「そう、あなた」
「俺は朝桐凱斗だけど」
凱斗の言葉を聞いた瞬間、その女子生徒は突然泣き出した。
「え?ちょっ、どうしたんだよ?急に」
「会えた・・・やっと会えた!旦那様!」
「「「なっ!?」」」
突然、凱斗に抱きつく少女。
「私の凱斗に何やってんの!」
思わず叫ぶ葵。
「私の?それは聞き捨てなりませんね」
「あなた、凱斗の何なの?」
楓花の問いに少女は、
「私の名は早乙女紅葉、将来朝桐凱斗の妻になる女です」
「え?」
瞬間、場が凍りついた。




