幼馴染み 蓮見葵
「ねぇ、凱斗はどんな女の子が好きなの?」
凱斗が学校の庭のテーブルで弁当を食べている時に、横にいる従妹の楓花に聞かれる。
凱斗と同じ学年の同じクラスの彼女は人形のように表情にバリエーションが無く、本当に人形のようだ。
黒く短いショートヘアの楓花はこの上ない美貌の持ち主。
胸の発育は大きすぎず、小さすぎず。
そしてそんな楓花と凱斗は同じ屋根の下で暮らしているという関係。
「俺の好きなタイプって事か?そうだな、清楚でおとなしい女の子が好きかな」
凱斗が大雑把に答えると、凱斗の前にいた少女が詳しく聞く為、他の質問を投げ掛ける。
「なら旦那様、胸は大きな方が好き?それとも小さい方が好き?」
凱斗の目の前にいる少女、紅葉が質問した。
黒めの茶色を後ろで結んだ彼女は凱斗と過去に結婚の約束をした婚約者。
その質問には凱斗と一緒に昼食をとっている紅葉と楓花含め四人が凱斗の回答をじっと待つ。
「え、えっと、どっちかと言うと大きい方が、好きかな」
すると楓花と楓花とは逆方向の横に座っている凱斗の幼馴染みの葵が凱斗の腕をつねる。
綺麗な短い茶色の髪が特徴の幼馴染みが凱斗をつねりながら罵る。
この四人の中ではダントツで一番付き合いが長いのが彼女。
普通に見ると可愛い女の子なのだが、一緒にいると理不尽な攻撃が後を絶たない。
今もこうして、凱斗に理不尽な攻撃がいっている。
「じゃ、じゃあ、私はどうなのよ・・・?胸も無いしおしとやかじゃないし・・・恋愛対象じゃ、無いの?」
いつもツンツンとしている葵だが、たまにか細い声で言ってくる葵に少しドキッとしたり・・・。
これは、日常が好きな朝桐凱斗の非日常な物語。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
電線に止まっている小鳥がチュンチュンと可愛い声が聞こえ、それと同時に部屋の小窓から入ってくる風が部屋の空気を入れかえ、凱斗は目を覚ます。
今日がもし休日ならあと二時間は寝ているのだが、残念ながら今日は平日。
起きたくないという心を無理矢理起きるように命じ、身体を強制的に起こす。
布団の魔力は季節が夏に近づくにつれ、弱まってきている。
起きたくないという心と布団の魔力に打ち勝ち、階段を下りる。
一番冷たい温度に設定した水道水を顔に浴び、眠気を飛ばす。
次は台所に向かい、朝食を準備をする。
いつもは白ご飯と味噌汁などを食べるのだが、昨日の夕食を食べ過ぎた為、軽い朝食にしようと決めたのだ。
ちなみにだが、凱斗の両親は海外で働きたいから日本の家は凱斗と姉の舞冬に渡すという無茶な事を言い、出ていった。
そしてその姉である舞冬は大学の友達と旅行中で不在。
家事はなんとかできるので、今は問題は無い。料理を覗けば。
朝ごはんは難なく作れるのだが、昼ごはんと夜ごはんが問題なのだ。
夜ごはんは毎日頑張って一人で作っているが、昼ごはんまで一人で作れる訳では無い。
焼いたパンをかじりながら、夜ごはんのメニューに悩んでいると、ピンポーンと家のインターホンが鳴った。
「おはよ、寝癖直しなさいよ、みっともない」
玄関に行き扉を開けるなり言われたツンとした声。
そう、彼女は凱斗の幼馴染みの葵。
基本的に口調はツンツンとしているのだが、それでも凱斗の昼ごはんをここ最近作っているのは葵だし、付き合いも6年ほどだろうか。
いつも獰猛な性格かと思いきや、不意打ちのように可愛いしぐさを見せて、思わぬタイミングでドキッとしたり。
「そういや、学校変わったから制服も変わったのか」
中学時代の制服は黒を基調とした制服だったのだが、高校の制服は白がメインの制服。
中学時代の制服ではあまり感じられなかった清純なイメージが高校の制服にはあり、ギャップを感じさせる。
「ど、どう?」
「どう?とは?」
少し顔を赤らめながら言う葵の言いたい事が凱斗には理解できず、葵に聞き返すと葵は更に赤面し、
「だ、たから、制服似合ってるか聞いてるのよ!」
「あ、あぁそういうことか、普通に似合ってるぞ」
すると、葵は少しはにかんだ様子でクスッと笑い、準備の終えた凱斗を見ると玄関の扉を出た。
「さ、行きましょ」
凱斗の一言で途端に機嫌が良くなった葵と共に二人は島桜高校へと足を進めた。
どーもミカエルです。初めましての方は初めましてミカエルです、よろしくお願いします。
出来るだけ、毎日更新するんでよろしくお願いします。
あと、現在執筆中の魔剣使いの救世主もよろしくお願いします。ではこの辺で、さよなら!