読む必要のない前書きとこれから書く話の説明。
これから書く一連の文章は、言うなれば小学生の漢字書き取りノートだ。つまりは練習用という訳である。もちろん、綺麗に書く努力はするつもりだ。だが、これは利き手と逆の手で書いた漢字のようなもので、枠をはみ出し、バランスも崩れた、とても汚い文章になるだろう。
そもそも、私はここでチーレムものを書いてみたかったのだ。唐突に力を得て、何処かで見た世界で暴れまわり、何処かで見たような女の子に囲まれる。主人公には私の分身を、敵は私が嫌いな人たちを、私は救われ、敵は苦しむ。そんな自慰小説が書きたかったのだ。
しかし、実際に書こうとすると全く筆が進まない。モデルが悪かったのだ。主人公であるはずの私は物事を上手くこなしたことなどないし、モテたこともない。そうして、やっと出来上がったものを見直してみれば、私がもがき苦しみ、数十話程度では救いだろう話になっていた。誠に企画倒れである。
「プロットなし、設定なしの見切り発車が悪かったのだ。設定とプロットから攻めよう。」
これも完全なる見当違いであった。気づいた時、書き連ねた設定は膨らみ続け、主人公から私の存在はいつしか消えていた。そして、よくわからない何かがそこにあった。明らかにチーレムものではない。再び企画倒れである。
チーレム好きのなろう読者よ。チーレム嫌いのなろう読者よ。私はチーレムものを書くことに失敗した男だ。間違いなくここでは最底辺以下の屑だろう。
しかし、何となくであるが書く楽しさは分かってきた気がする。そして、いい加減何か一つを書き上げたいと思ったのだ。だから、私は「昔、経験したこと」について書こうと思う。さあ、君たちが何を今思ったかを当ててみよう。
「こんな気持ち悪いやつの過去が面白い訳がない。」
誠に正解である。私が気持ち悪いこと、私の過去がつまらないこと両方正解だ。さて、話が脱線してばかりで誠に申し訳ない。いい加減に本題に入ろうと思う。私は神や幽霊、妖怪などオカルト的な存在をいないと信じている。しかし、オカルトじみた経験は人並み以上にした自信がある。あくまで「ような」経験であり、ただの勘違いと偶然による事象だろう。しかし、偶々そのようなことが起こったことを私は非常に面白く感じるのだ。君たちにもこの感情を共有できるのならば、とても嬉しい。