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くそニートの俺がネットサーフィンしてたら隕石襲来!?別に死んでもいいや  作者: 椎名 マリ


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運命

今日は豪雨のせいでヘッドホンをしていても雨の音が聞こえる。かすかに聞こえる雨音でやけに落ち着く。毎日ネットサーフィン、朝寝て昼過ぎに起きるという生活の繰り返し。そんな俺も今年で40歳。バイトはおろか定職に就いたことも一度もない。世間一般でいうニートだ。今日も飽きずにネットサーフィンに勤しむ。「あ、切れた、、」最近はまってるユーチューバーの日常ブログに集中していたらパソコンの充電が減っていることに気づかなかった。急いで充電をコードをさす。再起動までの時間が億劫だ。。腹減ったな、昨日の残りのカレー食うか。いくらニートだって腹は減る。重い腰をあげ椅子から立ち上がる。ネット中は腰が曲がってるから立った時にはうんと伸びをする。これがたまらなく気持ちいい。「猫背だと老後に上手く歩けなくなる」と言っていたのをテレビで見た。長生きしたいという欲望は一切ない。腰を曲げた姿勢が一番楽だから。それに、俺は一週間後の日曜に死ぬ。自殺するのだ。なぜなら、俺の大好きなアニメ「深海魚の夢」の最終回だからである。なんならこのアニメが完結してないから生きていたにすぎない。夢も希望もないしこの世に未練などないと思っていた。「やっぱカレーは二日目に限るなーなんて思いながら温めすぎたカレーを口に運ぶ」俺が何かしら食べている時には愛犬である、いちごが毎回寄ってきていた。「犬はカレー食べれないよ」というと、言葉を理解したかのようにしょんぼりした。かわいい。「もう寝る時間だから」といい、いちごをリビングにあるケージにいれ扉の鍵を閉めた。俺がニートになって初めのころは、親に働けと言われていたが五年がたつ頃には何も言われなくなっていた。父は生前、化粧品関係の会社の社長であった。死んだときに莫大な遺産を母がもらったらしい。詳しい額はわからないが三十億前後もらったらしい。お金に困らないこともあり俺のことはあきらめたのだろう。しかし、親との関係はそれほど悪くはないと思う。少しずつカレーを食べながら、母親が見ていたドラマを後ろから眺めていた。ドラマでは、「隕石が墜落するので住民は避難をしてください。」というニュースから始まった。ドラマにしてはニュースのリアルな感じといい迫力、俳優たちの演技も素晴らしかった。まるで本当に現実世界に隕石がおちてくると錯覚するぐらいだった。「これなんてドラマ?新しく始まったやつ?」そう母に問いかける。少しの間沈黙が流れた後、やっと母は口を開いた。「これ、、ドラマじゃなくて現実のニュースよ、、、」なんだよその冗談と思った。母は寝ながらテレビを見るため、寝ぼけているのかと思っていた。確かにニュースキャスター役の人のリアルな演技はすごかった。現実だと勘違いするのも無理はない。まさか本当に隕石が落ちてくるわけない。そのまさかだった。ドラマのニュースだと思っていたものは現実世界のニュースだったのだ。耳元で拳銃を発砲されたような音とともに強い衝撃が体に伝わった。どうやら隕石の破片が落ちてきたらしい。「ふざけんなよ!まだ最終回見てないのによぉ!!」俺の気持ちと同様に隕石の衝突による地震はひどく激しく揺れていた。とりあえず、避難しよう。母と愛犬を助けないといけないという気持ちがあったおかげなのか冷静に判断できたのだと思う。「おふくろ!!家の中にいるのは危険だから外に出るぞ」そう言い俺は母をおんぶした。母は今年七十歳前後であり足腰も弱くなっている。それに加え、重度の糖尿病により片足切断しているため、車いすなしでは移動が困難だ。二十年間まともに体を動かしてなかった俺には、いちごも一緒に持つだけの筋力は残っていなかった。「いちご!!ケージの扉だけ開けとくから自分で出てこい」そう言って扉を開けていちごがケージから出たのを確認して俺は外に出た。いちごは賢いから一人で家を出れると思っていた。母を避難させた後すぐにイチゴも助けに行こうと思った。家を出た途端、再びあの衝撃が体に伝わった。再び隕石の破片が落ちてきたのだ。さっきよりも衝撃が強い。直感的に家がやばいと思った。俺の予感は当たり、家はギイギイという音を鳴らし簡単につぶれてしまった。母は無事、家の外に避難できた。だが、いちごの姿が見当たらない。いつも、俺のそばから離れなかったのに何で今日に限ってついてきてないんだよ。ぼろぼろに崩れた家を前にして、いやな想像が脳裏をよぎる。まだ揺れていたが危険を承知で、いちごを助けに、破壊された家の中を進んでいった。「いちご!!!いちご!!」何度も叫びながら探す。雨が俺の声を遮るように降り注いでいた。無駄に広い家を恨んだ。玄関の天井は完全に落ちていた。床と天井の隙間に雪のように真っ白な毛が見えた。「玄関までついてきていたのか。」すぐに近づき、いちごの上にある鉄塊を持ち上げようと試みた。火事場のばか力というんだろう。無我夢中で持ち上げた。頬を伝うものが汗なのか雨なのか判断できないほどに。腕からぶちぶちという音が聞こえるが気にせず力を入れ続けた。水と泥で地面はぬるぬるしており上手く力を入れるのが大変だった。十分の格闘の末やっと持ち上がった。いちごの体から大量の血があふれでていた。獣医ではない自分でも助からないとわかるほどであった。せめて苦しまずに死ねるようにと、殺してあげようと思った。近くの尖った鉄の棒を拾った。苦しまないように一撃で。どれくらいの時間がたっただろう。俺は結局いちごを殺せなかった。出血多量で死ぬまで苦しんで。臆病だ。死ぬ間際の目の色を今でも鮮明に覚えている。俺がもっと早く動いていれば、いちごは助かったかもしれなかった。せめていちごが好きだった、ウサギのぬいぐるみを一緒に埋めてあげようと思った。ぬいぐるみをとるために地震が収まってからリビングに入った。リビングは木材や鉄筋で荒れており悲惨な状態だった。さっきまでいちごが入っていたケージを見た。ケージは無傷だった。

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