7話:お友達?
俺と野田は、河原に来ていた。
「えーっと、ここは…河原。多分この辺にみんないるはずなんだけど…あ、いたいた。…おーい、山崎たちーっ!!」
野田が、向こうの方にいる人影たちに向かって叫ぶ。
「転校生君連れてきたぞ!!」
「…お、分かった。野田ナイス!」
なんか髪色の明るい男の子が、野田に向かてニヤリ、と笑いかけていた。
「えーっと、今のは山崎。違う中学の奴なんだけど、いい奴だぜ」
野田が俺にボソッ、っと説明してくれる。
「…へぇ」
俺は間抜けに口をあけた。
「名前なんて言うんだ?」
山崎、がこう聞いてくる。…多分同学年なのだろうが、何とも言えない威圧感がある。きっと別次元の人だろう。
「えっと…赤井って言います」
…なぜか丁寧語で返してしまった。
「そうか。俺は山崎。よろしく」
山崎が手を差し出してくる。
「あ…よろしく」
俺と山崎は握手を交わした。
「うーん青春だねぇ!」
野田がよく分からないことを口走っていたが、それはまぁ無視するとしよう。
「そっかぁ。君が転校生、ね…」
山崎がふっ、と笑う。
「歓迎してあげたいのはやまやまだけど…その前に、君に一つ聞こう」
「…はぁ」
俺は小さくうなずいた。
「君は、俺たちと仲良くやっていく自信があるか?」
…うーむ、難しい質問だ。
えーっと…。
「あの、俺人見知りだけど、それでもいいなら仲良くなれるよ?」
そんなことを口走る俺を前に、山崎は、
「人見知り? んなこと誰も気にしねぇから安心しろ!」
こう笑い飛ばしてくれるのであった。
何か分からないけど、まぁ仲良くなれるといいなぁ、と思った。
そして。
野田のおかげで友だちも出来そうな予感がした。