5話:新しい街はどんなとこ?
「…赤井、悲しい知らせがある」
放課後、野田は悲しそうな顔をしてこう切り出した。
「…はぁ?」
…悲しい知らせってなんだろう。
「今日は、ちょっとしかダチさん紹介できない。すまん!」
えっと…これが、悲しい知らせ?
…………………………。
「あ、野田くん…」
「何だ?」
俺は小さく息を吸った。
「あ、あのさ、そんなに気ぃ使わなくても俺は大丈夫だから。転校してきたばっかりとはいえ、君にこ
れ以上迷惑かけたくないんだ」
…少し声が裏返ってしまった。
「んぁ? …あぁ、俺は全然迷惑じゃねぇよ。むしろ楽しいから! まぁ、っつーことでまずはこの町の紹介からしようか」
野田はそういうと俺に小さくウインクをし、学校の外に向かって歩き始めた。
「は? 別にいいって!!」
俺は、歩き出した野田の前に立ちはだかった。
「何だ? 赤井、用事でもあんのか?」
「っ!」
…こういう時に嘘をつけないのが俺の欠点。なぜか正直になってしまう悲しい性格の持ち主、俺。
そんな俺を見て、野田は、
「何にも用事ないって言ってたもんなー。昼間に。ってか、早くこの街のこといろいろ覚えておいた方がいいと思うぜ? …これから暮らす街なんだし」
…まぁ、それもそうかな。
野田の言うことに納得してしまった俺は、街を案内してもらうことになりました。
やっと5話です。
もうちょい大きく区切った方がいいんでしょーかね・・・・・・