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3話:普通の人の、はず……
「赤井―、今日暇か?」
昼休み。野田に声をかけられた。
「ん…暇だけど」
俺は少し身構えた。
「…そっか。じゃあさー、俺のダチさん紹介するわー。っつーことで、一緒に帰ろうな」
「…うん」
やっぱこの人怖い。「ダチさん」って変な人じゃないだろうな…。
「おい、そんなに固くなるなよ赤井―。別に変な人ではないから!」
野田が、からかうように笑った。…ってかこいつ、今俺の心読んだよな!?
「…分かってるよ」
俺は野田から目をそむけた。
思えば俺はこの時から、もう普通ではなくなっていたのかもしれない。