2話:うぉっ!何なんだここは!?
「今日は、転校生が来ています」
教室の前で、俺は待っていた。
そう、俺は転校生なのだ。
「転校生の、赤井君です」
どうやら担任だったらしいメガネをかけた先生が、ドアを開け、俺を教室の中へ迎え入れてくれた。
少し足がすくんだが、ひきつった顔をして教室の中に入る。
「転校生とか珍しいなぁ」
「てかよりによってこことかね」
「ちょっと可哀想だわー」
「あいつの髪茶色いぜ」
などの言葉が飛び交っていた。
可哀想、の意味は分からなかったが、髪が茶色いのは生まれつきだ。
教室がざわつく。
…でも、思ったより教室は荒れていなかった。それにクラスの人もいい人そうだし。
ただ、一つ気になることがあった。
あの、後ろの方でトランプしてる奴らは気になった。やっぱああいうのって、不良…の部類に入るのだろうか。
「赤井君、自己紹介を」
先生が、小さな声でささやいてきた。
「えーっと、今日からここの学校に転校してくることになった、赤井健翔です。よろしくお願いします」
俺はぺこっとお辞儀をした。
「はい。みんな仲良くするように!」
先生が、満面の笑顔でこう言う。
「じゃ、赤井君の席はあそこだから、頑張ってね!」
先生は後ろの方の、一つ空いた席を指さすと、逃げるように去って行ってしまった。
先生が、逃げた?
なんだか嫌な予感がしたけど、俺は黙って席に着いた。
「赤井君、よろしくー」
前の席の男子が、笑顔でこう言った。
「……よろしく」
俺も何とか笑顔で返す。
「……赤井って呼んでいい?」
前の席の男子は、ニヤッと笑いながらこう言った。
「ああ。お前の名前は?」
「俺? ……野田って言うんだ。よろしく」
「あ……よろしく」
俺は、こいつの笑顔に若干不吉なものを感じた。なんだかやばい人のような気がする。
「へぇ……野田くん、か。よろしく」
「別に野田でいいよ」
うぅ、やっぱりなんか怖い。この人は問題を起こしていそうだな……。
「えーっと……じゃあ野田」
「ん?」
「ここの学校って、荒れてんのか?」
……言ったぁ。俺こんなこと聞いてよかったのだろうか。
そんなことを思っていると、
「最近荒れてきたなぁ」
なぜかのんきな野田の声が返ってきた。
……いやいやそんなのんびりした口調で「荒れてきた」とか言われても信用できねぇから。まぁ俺が聞いたことだけどさ。
「へぇ。最近ってことは、少し前までは普通だったのか?」
俺は、野田にこう聞いた。
「んあ?…ああ。普通だったな」
野田はあくびをしていた。
つかめない奴だな……。
「……ふーん」
そこで、会話は途切れた。
聞き慣れないチャイムの音が聞こえる。
その直後。
「久々のヒット来たね!!」
などと言いながら女子が俺の席に迫ってきていた。
「女子のお気に入りみたいだな」
野田が、プッ、と笑う。
「……はぁ?」
意味がわからなg………
「赤井君ってどこから来たのー?」
「えー? 髪の毛茶色いんだー」
「何でこんな所に来たの?」
質問の嵐嵐。……ちょっと怖かった。
「えーっと、田舎の方から来ました。あと、髪が茶色いのは生まれつき」
できるだけ、平静を保つようにする。……だってさ、今までこんな風に女子から声かけられることなかったんだもん。
「へぇ。田舎、かー。いいなぁ! よろしくねー、赤井君」
「あは。よろしく」
その時、笑顔が引きつっていたのは誰にも分からなかっただろう。
えーっと、ここまで読んだあなたは神ですw はいw
全ての人に感謝の気持ちを。
まだ話は続く予定なので、コメント下記してください。
よろしくお願いします~w
ではでは。