20話:苦笑いするほかに何がある?
「っ!だ、大丈夫か!?山崎っ!」
あわてて山崎に駆け寄ろうとすると、野田が、
「んもー酒あんまのめねーくせに無理するから……。ったく……」
呆れた顔で倒れた山崎を白い目で見つめていた。
……それでいいのか?それでいいのかよ、野田?
助けたりとかないのか?
すごく疑問に思ったけど、俺は黙っておくことにした。
「……赤井もあんまり無理はすんなよ?」
「……おう」
俺はウイスキーの瓶を地面に置いた。そして、
「あのさ、お前って、酔わない方なのか?」
と、野田に聞いた。
「……ああ」
野田が、どこか、どこか一点を見つめながらこう言う。
「……ふーん」
「んー、帰るか?」
野田が立ち上がったその時。
「待てよ野田~。ちょっとくらいィいじゃねーかよォ~オイ?」
山崎が、野田の足首をつかんできたのだ。
ずる、っと転げ落ちていく二人。
……って。
「危ないっ!!」
俺が駆け出した時には、もう遅かった。
山崎と野田は――川の方へと転落していっていた。
山崎と野田の動きが、スローモーションで俺の目に映し出されていく。
「っ――――」
声を出したかったけれど、声が出なかった。
そして。
ばしゃ―――――ん。
ド派手な音を立て、彼らは川へと転落。
「う゛ッ……」
悲痛の叫びを上げる、二人。……うわ、ご愁傷様です。
「ってえなぁ……調子乗ってあんま飲んでんじゃねーよ山崎っ!」
……ドガッ。
嫌な音がして、野田が山崎を川に沈めようとしているのが見えた。
……うわ。嘘だろ?
ちょっと怖いや。
強くそう思ったが、黙っていることにした。
……なぜって?
そこには川があって、野田がいるからさ。
改行多くてすみません><
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