表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/28

17話:緊迫に包まれる闇


 俺たちがそこに着いたときには、事態はあまりよろしくなかった。


 ――山崎は、見るからにヤンキーみたいな奴に、囲まれていたのだ。


「っぁ……」


 間抜け面で、その様子を見つめていると、


「何やってんだよ赤井!」


 野田に頭を小突かれた。……頭がジンジンする。


「ってーな! ……んなこと分かってるっつーの!! ……あのさ、てめぇら、そこどいてくんない?」


 俺は夢中になって、見るからヤンキーな奴らにこう言い放った。ちょっと怖かったが、不思議と言葉がすんなり出てきた。


「んぁ? なんだって?」


 ……ったく、これだから最近の若者は。


 心の中でため息をつく。男もいろいろと面倒くさいもんなんだな。


「だーかーらー。……そこ、どけ」


 喧嘩、と言っても半分くらいは勢いが大事だ、と俺は思っているので、思いっきり低い声で、奴らにそう言ってやった。そしてその勢いに乗って、奴らのことを睨みつける。


「ん? このクソ弱い山崎の仲間が来たか?」


 クス、とバカにするような笑いが聞こえた。


「……うぜぇ」


 俺はこぶしを握りしめた。


「山崎を弱いって言うなんて、てめぇすげーなぁ?」


 横で野田が、ふふん、と笑う。なぜか勝ち誇ったような笑み。


 ……?


 俺は、首をかしげた。


「あのさぁてめーら……山崎のこと弱いっつーのは、十年早いんだよっ!!」


 そしていきなり――本当にいきなりだ――野田は、奴らに殴りかかったのだ。


「!?」


 あまりに突然のことに顔をしかめる奴らを見て、俺は心の中でほくそえんだ。


 ……よっしゃ、チャンスじゃん。


「うぉりゃ――っ!」






 俺も勢いに任せ、奴らに飛びかかる。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ