15話:事件勃発!?
そのあと結局、野田とちゃんとした仲直りはしてないけど、バカ話をしている。
そんな野田が――、突然真面目な話を俺にしてきたらどう思うだろうか。
1.まず信じられない。
2.とりあえず話を聞く。
3.呆れた顔で無視。
俺の頭の中に、三つの選択肢が浮かんできた。どれが一番得策だろうか、と考えてみる。
うーむ……。
俺は一人、腕を組んだ。そしてちらり、と野田の顔を見てみる。
……野田は、とても真剣な顔をしていた。これは恐らく、彼の本気の表情だな。
と、いうことは……。
俺の頭の中で、『とりあえず話を聞く』の選択肢がピカピカと点滅している。……初めて野田がこん
な真剣な表情してるの見た。
「え? もっかい言って、野田」
俺は人差し指を一本立てた。
「おう。何回でも言ってやるよ。……俺たちは、いや、俺と山崎は、他校の奴に喧嘩を売られました! ……分かったか?」
「……ああ」
俺は軽くうなずいてから、野田の言葉を頭の中でもう一回繰り返した。……って、
「た、他校の奴に!? 何でだよ!?」
ホントありえないと思う。何てこったい。
「何でって……決まってるだろ。奴らといざこざ起こしたんだよ。あいつがな」
いやいや決まってねーし。
「あいつって、山崎が?」
「そうそう。まったく、山崎の奴無茶しやがって……とまぁ、それはどーでもいいんだ。
それでな、今日、そいつらが仲間引き連れてここに来るんだってさ」
野田が、さらっと、本当に軽い調子でこう言う。
だから、最初俺は、そっかぁ、くらいにしかとらえられなかったのだ。
でも、何秒かしてから、やっと気付いた。
「は!?」
仲間引き連れてくるって……かなりやばいんじゃねーのか?
それを野田に聞くと、
「ああ、まぁ何とかなるんじゃね?」
こう返された。
なんで野田とか山崎はこんな平気そうなんだろう……。
と、思っていると
トゥルルル~♪
野田の携帯がなった。
「ん?」
野田がさっ、と携帯を取り出し、画面を見つめる。
「ッ……!」
その野田の表情が、一瞬にして固まった。
「野田? どうかしたか?」
若干心配になった俺は、野田にこう聞いた。
「……山崎が……奴らに絡まれたらしい……」
「なっ……!!」
俺は、野田の顔をじっ、と見つめた。でも、その顔には答えは何も書いていなくて。
「じゃ、どーすんだ? 助けに行くのか?」
野田が、何かを迷っているような顔をする。
そして、
「行く」
彼は自分自身に言い聞かせるように、小さい声でこう言った。
「……OK。行こう」
俺はゴクリ、と息をのんだ。
……何だか大変そうなことが起こりそうな予感がした。
夏休みに入って、受験生なので、更新遅くなります><