今更だけど主人公の本名は?(15-5)
いつになったら紹介されるの?
石を飲み込んだように心が重く沈む。
否定したい気持ちの裏で、彼女が告げる一つ一つが思考の空白にピタリと嵌まり込んだ。無知で無頓着で非常識。並外れた怪力、不可解な回復力。感情の欠如。それら全てが説明できてしまう。
「野放しにはできない。使役も返還も叶わないなら、閉じ込めて管理する。それが国の決定よ」
また顔も知らない誰かの決定。僕は従うだけ。これからも、ずっと。
給仕からペンと書類を受け取り、その文面に目を落とした瞬間、思わず息を呑んだ。
『本契約により、被保護者の里親および保証人の権利義務は、本契約以前の保護者よりレヴァナリア・オル・ラヴァンケスへと移譲されるものとする』
署名欄には既に僕の両親の名と、見覚えのない名が記されていた。残された空欄は、僕の承認だけ。
一生付きまとわれるものと諦めていた。解放など僕がどれだけ望んでも、彼らは許可しないと信じていたのに、どんな方法で説得したのだろう?
「覚悟を決めなければならないわ。彼を危険物として世間から遠ざけるか、他の道を模索するか。貴方が選ぶのよ。片割れちゃん」
書類の文面を睨んでいた僕は、彼女の言葉に耳を疑った。
「……少し、考えさせてください」
やっと言葉を絞り出す。
「ええ。少しだけなら猶予は延ばせる。貴方は私を頼り、訪ねてくれた。その期待には応えるわ」
信じられない。一族の命運を左右する選択権を僕が握っているなんて、どうすれば信じられるだろうか。
彼女の目的は何だ? 結局、どちら側なのだろう。もう考えるのも面倒になってきた。
支障がない内は、現状のまま進めます。
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