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【闇堕ち直前】主人公の色なし観察日誌1  作者: 荒屋朔市
主人公覚醒

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22/50

さっきから視界の端で揺れているモノが、とても気になります(間5−2)

変なんです。

風もないのに、ぶらぶら揺れているんです。




 葉の陰で色づき膨らむ様々な形の色鮮やかな果実。

 言いたいことを口に出せないまま、ぶらぶらと足を揺らし、僕はそれらを眺めて過ごした。


 観賞しているだけでも面白いが、食用としては、どうだろうか?


 刺客の目から逃れるために、ひっそりと静かにやり過ごすなら、飲水としても問題のない水場と食料の確保が必要になる。


 そんなことよりも今は、どう切り出すかだ。侮辱するような物言いも、詮索するような尋ね方も避けたい。何事も平和が一番だ。


 頭を悩ませていると、僕の手に何かが触れた。甘い香りを放つ赤い実だった。エシュは、それを僕の手の平に、そっと置いた。


 気になって周囲を見渡すが、近くに同じ種類の実は見当たらない。どこで見つけて、いつ確保したのか、釈然としないまま向き直る。


 薄皮を指先でひと撫でして剥くと、淡白色の半透明な果肉が覗いた。少し口に入れてみる。

 限りなく僕の好みに近い優しい甘さだ。舌で潰した途端、たっぷりの果汁が口内に広がった。


 エシュは何も言わなかったが、僕が見ている前で、同じ種類の実を皮も剥かないまま口へ運んだ。咀嚼の音はしなかった。


 飲み込んだのだろうか?

 


 

 豆菓子と果実を分け合った。今は、それだけの関係。そんな距離感だ。


 両腕を身体の前に突き出して、僕はぎこちなく伸びをする。朝の空気を静かに深く吸い込んだ。

 そうする横で、赤い癖毛に絡め取られた緑の葉が揺れた。

 

 

 

もう取ったったらええやん?

つまらんことで悩むくらいなら、無言のまま手を伸ばして、髪に絡まった葉っぱ取ったったらええよ。

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