主人公を完全漂白。時代の流れに逆らってでも、白く眩しく輝く笑顔が見たいから(6-2)
先ずは外見から、イメチェンを開始します。
水音が聞こえる。雫が落ちる音。
湿った空気。知らない匂いと、その中に混ざる知っている匂い。幽かに発光する菌類が周囲を照らし出す。
植物が鬱蒼としている。下層と最下層の住人を悩ませる食糧不足問題など、まるで知らないかのように……。
知らないだろうな。
植物は種を落とした場所の環境が気に入れば芽を出し、自力で育っていく。人の事情なんか、お構いなしだ。
それに、下の人口は多いらしいから、一日も待たず木の幹や根までも食べ尽くされて、荒れ地が完成するだけだろう。
何も解決しない。
横たわって寝ていた僕の肩には、闇色の外套が掛けられていた。
頭元から少し離れた位置には小さな包み。携帯食の豆菓子だ。しかし、それは誰かに譲ったはず……。
そうだ。僕は『灼熱沼』に身を投げ、すべて終わらせようとして、……ここは? あの赤髪は、近くにいるのか?
手をついて、身体の向きを変えようとした時、触れた岩肌が妙に温かいという事実を知った。僕が着ている服と、鞄に仕舞った外套が乾いているのは、それが理由らしい。
ブーツと短剣が茂みの枝に引っ掛けられている。
靴紐を切らずに、ブーツ本体の原型も留めたまま脱がす。素足で出歩くような奴が、そんな器用さをどこで身につけたのだろうか?
それ以上に不自然を極めているのは、僕自身の肌の色だ。
指先から腕、足も、鼻も頬も、青白くて気味が悪い。自分の手が、全然違ったものに見える。目を疑いたくなるほどの強烈な違和感が拭えない。
今の僕を見たら、妹はどんな反応をするだろう?
驚きはするだろうが、落ち着くのを待って、ゆっくり説得すれば何とかなるはずだ。
他の同族たちは、どうだろう?
どうすれば同族だと証明できる?
信じてもらえなかったら、どうなるのだろうか?
素足って? 出会った当初を思い出してご覧なさいよ。そんな生半可なもんじゃ、ありませんでしたよね?
だから、アナタも変われます。きっと!




